
整形外科開業で失敗しないための10のポイント|成功する立地・資金・集患戦略とは?
整形外科は、現在の日本において最もニーズの高い診療科の一つです。特に高齢化が進む中で、腰痛や関節痛、骨粗鬆症、骨折後のリハビリなど、整形外科を必要とする患者数は年々増加傾向にあります。このような背景から、「地域に根ざした整形外科クリニックを開業したい」と考える医師は少なくありません。
しかしながら、開業に踏み切ったものの、「立地選定を誤った」「想定よりも集患できなかった」「初期投資が膨らみすぎて資金繰りが厳しい」など、思わぬ失敗に直面するケースも数多く存在します。整形外科の開業は、内科や皮膚科などに比べて必要な設備が多く、スタッフの体制も複雑になりがちです。だからこそ、開業前の戦略立案と準備が、成否を大きく分けるのです。
本記事では、これから整形外科を開業したいと考えている医師に向けて、「整形外科開業で失敗しないための10のポイント」をわかりやすく解説していきます。現場でよくある失敗事例や、成功している整形外科の特徴も紹介しながら、「本当に必要な情報」をお伝えします。
1.整形外科の市場性と将来性
なぜ整形外科が注目されるのか、その背景と将来性を詳しく解説します。
■ 高齢化社会と整形外科ニーズの拡大
日本は世界でも類を見ないスピードで高齢化が進んでおり、65歳以上の人口は全体の約3割を占めています(2025年時点)。高齢者に多く見られる症状といえば、関節の痛み、腰痛、骨折後のケア、骨粗鬆症などが代表的です。これらの治療や管理を行う整形外科へのニーズはますます高まっているのです。
また、近年では「健康寿命を延ばす」ことが社会的なテーマとなっており、リハビリや運動機能の維持を目的とした整形外科の役割が再評価されています。単に治療するだけではなく、日常生活を維持・向上させるという観点からも、整形外科は必要不可欠な存在といえます。
■ 安定した患者数と診療報酬
整形外科の特徴は、患者の継続性が高いという点です。慢性的な痛みや機能障害の改善には定期的なリハビリや経過観察が必要となるため、一度来院した患者が長期的に通院する傾向にあります。これは経営の安定化に直結する重要なポイントです。
さらに、整形外科はリハビリテーションを組み合わせることで、診療報酬の積み上げが可能です。1人の患者あたりの診療単価が比較的高くなりやすいため、経済的にも収益性が高い診療科として評価されています。
■ 他診療科と比較した「競争優位性」
整形外科の開業には内科や皮膚科に比べてハードルが高いと言われますが、それは裏を返せば「本当にやるべき医師が開業すれば勝ちやすい」とも言えます。
理由は以下のとおりです。
- 他診療科よりも開業数が少ないため、一定の地域における競合が少ない
- 手術が不要な患者が対象となる外来整形が主流で、診療の効率化が可能
- リハビリなど、スタッフの分業によって医師の業務負担を軽減できる
適切な立地とサービス体制を整えれば、整形外科は非常に魅力的なビジネスモデルになり得るのです。
■ 地域別の需要分析も不可欠
ただし、全国一律で整形外科の需要があるとは限りません。開業予定エリアの「人口構成」「高齢者比率」「スポーツ人口」「既存の整形外科の数」などを分析することは必須です。
たとえば、高齢者が多い郊外エリアではリハビリ特化型の整形外科が適している一方、学生が多い都市部ではスポーツ整形に強みを持つことが差別化につながります。地域の特性に合わせた開業戦略を立てることで、より高い集患効果が期待できるのです。
2.開業地選びの重要性と立地戦略
優れた医療技術や最新設備を備えていても、アクセスが悪く認知されない場所では患者が集まりません。逆に、戦略的に立地を選べば、自然と集患できる体制を構築できます。
■ 医療モール vs 単独開業
まず立地を選ぶ際に悩むのが、「医療モールに入るか」「単独のテナントや戸建てで開業するか」という点です。
タイプ | メリット | デメリット |
医療モール型 | ・認知が得られやすい ・他科目との相乗効果がある ・来院動線が整っている | ・家賃が高め ・自由な設計が難しい ・診療圏の一部が競合になる可能性 |
単独開業型 | ・設計の自由度が高い ・ブランド構築がしやすい | ・集患に時間がかかる ・駐車場確保などが自己責任 |
整形外科はリハビリスペースや駐車場面積など、ある程度の広さが求められるため、郊外型の単独開業でも十分成功が見込めます。ただしその場合は、地域への告知・PR活動を積極的に行う必要があります。
■ 競合状況と診療圏の分析
開業を検討しているエリアには、既に整形外科がいくつ存在しているかを確認することが重要です。ただし、単純な数だけで判断するのではなく、診療時間・専門性・口コミ評価・リハビリ体制などをチェックし、競合との差別化ポイントを探ります。
■ 人口動態とニーズの合致
整形外科は特に高齢者の来院が多いため、その地域の年齢構成をよく分析しましょう。以下の点が重要です。
- 65歳以上の人口比率が高いか
- 高齢者向け住宅・施設が周辺にあるか
- 通院手段(徒歩・バス・車)の選択肢があるか
逆に、学生や働き盛り世代が多いエリアでは、スポーツ整形や外傷処置に特化したメニューが喜ばれるケースもあります。
ニーズを読み取り、立地と診療内容のミスマッチを防ぐことが成功の第一歩です。
■ 駐車場とバリアフリーへの配慮
整形外科は通院頻度が高く、歩行に不安を抱える患者も多いため、駐車場の有無・段差のないバリアフリー設計が必須です。可能であれば、リハビリエリアの導線も入口からスムーズにつながるように設計しましょう。
「患者の動線設計=通いやすさ=リピート率向上」です。ハード面の利便性が、整形外科では特に成果に直結します。
3.整形外科に必要な設備と導入の優先順位
整形外科の開業準備において、設備投資は最も悩ましい項目の一つです。適切な機器を選ばないと、患者満足度を損ねたり、投資が回収できずに資金繰りに悪影響を及ぼす可能性もあります。
■ 必須設備とその目的
まず整形外科クリニックで必ず必要となる機器は以下のとおりです。
- X線撮影装置(レントゲン): 骨折・変形の診断に必須
- 診察台・処置台: 診察・処置の基本設備
- 電子カルテ+PACS(画像保管システム): 効率的な診療と診断
- リハビリ機器(干渉波、低周波など): 通院継続率を高める武器
次に、余裕があれば導入したい設備は、以下のとおりです。
- 超音波診断装置(エコー): 軟部組織の描出に有効
- MRI(高額): 本格的な診断力向上に寄与
- 骨密度測定装置: 骨粗鬆症診断のニーズに対応
整形外科では画像診断の質が問われる場面が多いため、最低限の画像設備はマストです。一方で、MRIなど高額な設備は、導入時期をずらす・近隣施設と連携するといった工夫も検討しましょう。
■ 新品・中古・リースの選択肢
初期コストを抑えたい場合は、中古医療機器やリース活用も有効です。特にX線装置などは、中古でも性能的に十分なケースが多く、コストパフォーマンスに優れています。
導入形式 | メリット | デメリット |
新品購入 | 長期運用・最新型 | 初期費用が高い |
中古購入 | 初期費用が安い | メンテナンス保証が弱い |
リース | 分割払いで資金繰り◎ | 長期的には割高になることも |
整形外科では、無理のない資金計画をベースにした導入が基本です。開業直後は必要最低限に抑え、半年〜1年後に診療実績を見て増設する方式も有効です。
■ 設備投資は「回収できるか」が基準
導入するかどうかの判断基準は、「その設備が新規患者の獲得や、継続通院につながるかどうか」です。単に「あると便利」ではなく、「ないと選ばれないかもしれない」という視点で精査しましょう。
4.開業資金と資金調達のポイント
整形外科の開業は、他の診療科に比べて初期費用が高額になる傾向があります。リハビリ設備や画像診断機器の導入、広いスペースの確保が必要となるため、資金計画が甘いと開業後すぐに資金繰りが厳しくなる可能性も。ここでは、整形外科開業に必要な資金の目安と、調達方法、注意すべき点を解説します。
■ 整形外科開業にかかる初期費用の内訳
整形外科の開業にかかる主な費用は以下の通りです(目安金額)。
費用項目 | 目安金額(万円) | 備考 |
物件取得・内装工事費 | 2,000〜4,000 | リハビリ室含む広い空間が必要 |
医療機器(X線、リハ機器等) | 1,500〜3,000 | 導入規模により変動 |
IT機器・電子カルテ | 200〜500 | 初期セットアップ含む |
人件費(開業前3ヶ月分) | 300〜600 | 医師以外のスタッフ給与 |
広告・集患費 | 100〜300 | 開業告知・ホームページ等 |
その他予備費 | 300〜500 | 予測外の出費に備える |
合計:4,500万〜8,000万円程度が相場となります。無理のない資金調達が大前提です。
■ 資金調達の方法とポイント
資金調達には以下の3つの方法があります。
- 自己資金: 信頼性の基礎。最低でも1,000万円程度は用意したい。
- 日本政策金融公庫: 医療開業向け融資の実績が豊富。審査も比較的柔軟。
- 民間金融機関(地銀・信用金庫): 自己資金や事業計画次第で高額融資も可。
いずれの方法でも、資金調達の鍵は「事業計画書の質」です。以下の要素を明確に盛り込みましょう。
- 開業の目的と理念
- 診療圏・競合分析
- 3〜5年間の収支計画
- リスク対策と資金繰り管理
専門家(税理士や開業コンサルタント)と共に緻密に作成することが、融資成功と経営の安定化に直結します。
■ 開業後のキャッシュフローも視野に
開業直後は、初診患者の集患やレセプトの入金までに時間がかかるため、運転資金の確保が極めて重要です。たとえば、開業後3ヶ月間はほぼ赤字が続く前提で、あらかじめ準備しておくべきです。
5.集患戦略と地域に選ばれる整形外科
いくら設備が整っていても、患者が来なければクリニック経営は成り立ちません。
■ 整形外科特有の集患課題と対策
整形外科には以下のような集患課題があります:
- 慢性疾患の患者が多く、継続通院の重要性が高い
- リハビリへの評価や満足度が口コミに影響しやすい
- 患者層が高齢のため、デジタルよりアナログな広報が効果的な場合が多い
そのため、初期集患では「まず来院してもらう仕掛け」→「満足度を高めて再来を促す仕組み」の二段構えが基本となります。
■ 成功する整形外科の集患戦略3選
以下の3つは、整形外科で効果の高い集患施策です。
① 地域密着型の情報発信(オフライン)
- ポスティングチラシ
- 地元商店・施設への掲示物
- 高齢者向け住宅への情報提供
特にシニア層はアナログな広報手段に強く反応します。「地域のための整形外科」というブランディングを丁寧に打ち出しましょう。
② ホームページ&MEO対策(オンライン)
- モバイル対応のWebサイト制作
- Googleビジネスプロフィールへの登録・運用
- 「○○市 整形外科」での上位表示を狙うMEO対策
口コミ投稿の依頼や、症状別の解説ページなどを設けて、検索からの流入を増やします。Webは開業前から準備すべき項目のひとつです。
③ リハビリ強化による「紹介連鎖」
リハビリ体制が充実していれば、患者満足度が高まり、他の患者からの紹介につながる強力な武器になります。地域のケアマネジャー・整骨院・スポーツクラブといった連携先も意識しておきましょう。
■ 「開業前」から始める集患
意外と見落とされがちなのが、開業前の段階で集患準備を進めることの重要性です。
具体的には…
- 内装工事中に「〇月開業予定」の看板掲示
- 地域の新聞折込などで事前告知
- プレオープン見学会の開催
認知を高める施策を「開業前から」仕込むことで、初日から患者が来院するクリニックにすることが可能になります。
6.スタッフ採用と教育が成功のカギ
整形外科のクリニック運営では、医師ひとりの力では限界があります。リハビリ、診療補助、受付対応など、多くのスタッフと連携してサービスを提供するため、「チーム医療体制」の構築が不可欠です。
■ 整形外科に必要な職種と人数の目安
開業時に最低限必要とされる職種は以下の通りです。
職種 | 主な業務内容 | 人数目安(1日外来50〜60人程度) |
看護師 | 診療補助・採血・処置・点滴など | 2〜3名 |
理学療法士(PT) | リハビリ施術・計画作成・評価 | 1〜2名(規模に応じて) |
受付・医療事務 | 来院対応・会計・レセプト | 2名程度 |
放射線技師(必要に応じて) | X線撮影・機器管理 | 外注または兼務も可 |
特に理学療法士の確保は最重要項目です。リハビリ室が稼働しなければ、整形外科の集患・収益構造に大きなダメージを与えます。
■ 採用時に重視すべきポイント
整形外科では、高齢者や慢性疾患患者との接点が多く、医療技術よりも「人柄・接遇力」が評価される場面も少なくありません。採用時には以下を確認しましょう。
- 柔らかい対応ができるか(クレームを防ぐ)
- 多職種との連携経験があるか
- 明るく丁寧なコミュニケーション力があるか
また、地域密着のクリニックであることから、「地域出身」「地元志向」の人材は定着しやすく、長期雇用に向いています。
■ 教育体制の整備とマニュアルの重要性
開業後にスタッフ教育が不十分なままだと、対応のばらつき・ミス・クレームにつながります。特に初診患者対応やリハビリ予約の運用など、整形外科ならではの業務に対しては、独自のオペレーションマニュアルを作成することが効果的です。
- 受付・診察・リハビリの流れを可視化
- 各職種が担う業務範囲の明確化
- シフト管理・緊急対応ルールの整備
「忙しくても混乱しない現場づくり」の基本です。
■ スタッフの定着率が経営を左右する
整形外科はリハビリを中心に「通い続けるクリニック」です。受付や理学療法士など、毎回顔を合わせるスタッフの印象が、リピート率に大きく影響します。
そのため、スタッフが辞めない環境づくりも重要です。働きやすさを意識し、以下のような取り組みも検討しましょう。
- 昇給やインセンティブ制度の導入
- チームで意見交換できる定例ミーティング
- クレーム対応のマニュアル化とメンタルケア
7.診療フローとリハビリ体制の構築
整形外科では、「初診から治療、リハビリまでの導線」が患者満足度に直結します。
特にリハビリの提供体制は、患者の継続率とクリニックの経営安定に深く関わる重要ポイントです。
■ 初診からリハビリへのスムーズな導線
初診の患者が来院してから、診察・検査・リハビリへと進む流れに無駄があると、患者はストレスを感じます。よくある失敗例として、下記が挙げられます。
- 診察とリハビリが別日になる
- リハビリ室が遠い、導線が悪い
- 次回予約がその場で取れない
これらを防ぐには、開業前から診療フローを細かく設計しておくことが重要です。
■ リハビリ室の配置と設計の工夫
リハビリ室は、整形外科クリニックの「第二の主役」です。その設計には以下の工夫が求められます。
- バリアフリーで移動しやすい床材・幅広通路
- ベッド間の距離を十分に取り、プライバシー配慮
- 自然光や木目調を取り入れたリラックス空間
さらに、リハビリ導線を受付や診察と切り離さないことで、患者の混乱を防ぎ、クリニック全体の回転をスムーズにします。
■ 患者満足度を高める工夫
以下のような工夫を取り入れることで、リハビリ体制に対する満足度を一段と高められます。
- 理学療法士による定期的なフィードバック
- リハビリ内容を説明する資料配布
- 自宅でもできる運動指導の提供
これらは「信頼できる整形外科」としての評価につながり、口コミ・紹介・再来の促進にも直結します。
8.整形外科開業でよくある失敗とその回避策
整形外科の開業は高収益が見込まれる一方で、初期投資が大きく、運営が複雑なため、少しの判断ミスが大きな経営リスクにつながるケースも少なくありません。
■ よくある失敗①:設備に投資しすぎて資金が枯渇
開業当初から「最新機器をすべてそろえたい」と考える医師は少なくありません。MRIや骨密度測定装置、広いリハビリ室の導入などにより、初期投資が過剰になり、運転資金が不足するケースはよくあります。
対策として、下記が挙げられます。
- 必要最低限からスタートし、必要に応じて増設する
- 導入の優先順位を明確にし、収益性とのバランスを取る
- リースや中古機器を活用し、支出を平準化する
■ よくある失敗②:立地選定のミスマッチ
通いやすさや駐車場の確保が不十分な立地では、どんなに診療技術が高くても患者が定着しません。 ミスマッチが起こらないよう、下記の対策をとりましょう。
- 地域の人口構成や競合クリニックを十分にリサーチ
- 駐車場やアクセス動線を最優先に設計
- 出店エリアは必ず現地調査と通行量観察を実施
■ よくある失敗③:患者満足度が低く再診につながらない
初診患者が多く来院しても、受付対応やリハビリの質が悪いと再来につながらず、経営が安定しません。 患者満足度を上げるため、下記の対策をとりましょう。
- スタッフ教育とマニュアル整備を徹底
- 患者導線を明確にし、スムーズな対応を実現
- リハビリの質と説明力を高める施策を導入
■ よくある失敗④:医師が経営から目を背ける
医師として診療に集中するのは重要ですが、経営数値やスタッフマネジメントに無関心なままだと、知らぬ間に経営が傾くこともあります。
対策は、下記のとおりです。
- 定期的に会計・収支レポートを確認
- 数値管理を支援する専門家(税理士・コンサル)を活用
- スタッフとのコミュニケーションを重視し、現場課題を把握
9.成功事例に学ぶ整形外科クリニックの特徴
整形外科クリニックの開業を成功に導くには、実際の成功事例からヒントを得ることが非常に有効です。
■ 成功事例①:初診からリハビリまでの導線が秀逸
ある郊外の整形外科では、受付→診察→リハビリ→会計までの動線が無駄なく設計されており、1回の来院で完結することから高い満足度を獲得しています。
また、リハビリスタッフが次回予約までサポートしており、再来率も高く、安定した経営につながっています。
ポイントは…
- 患者動線の効率化で回転率と満足度を両立
- 次回来院を意識したコミュニケーション体制の整備
■ 成功事例②:リハビリ特化型で地域に浸透
都市部のある整形外科は、開業当初から「リハビリに強い整形外科」としてブランディングし、地域の整骨院や訪問看護とも連携することで紹介が急増。
患者層は高齢者に加え、スポーツ障害を抱える若年層にも広がり、地域の健康維持拠点として定着しました。
ポイントは…
- 診療内容の専門性と特徴を明確に打ち出す
- 医療機関以外との連携で紹介ルートを確保
■ 成功事例③:WEB集患と口コミ戦略を徹底
別の事例では、開業前からWebサイト・Googleビジネスプロフィール・SNSを駆使して情報発信を行い、開業初日から予約が満員に。
さらに、来院者に口コミ投稿を依頼することで、MEO(地図検索)で上位表示を獲得し、自然流入が倍増しました。
ポイントは…
- 開業前から情報発信をスタート
- 来院後のフォローアップで口コミ誘導を徹底
■ 成功クリニックに共通する3つのキーワード
- 地域密着性:エリアの特性とニーズに応える診療方針
- 強みの明確化:スポーツ整形、骨粗鬆症、リハ特化など
- 再来率の重視:1回来てもらうことより、継続通院を設計
「誰でも来る」整形外科より、「○○に強い」整形外科が選ばれる時代です。成功事例に共通するのは、「明確な戦略と設計」がされている点であり、それが結果として安定経営をもたらしています。
10.整形外科開業を成功させるための3つのステップ
これまで、整形外科開業に必要なポイントを網羅的に解説してきましたが、ここで改めて「成功する整形外科クリニック」をつくるための具体的なステップを整理します。
■ ステップ1:開業の目的と戦略の明確化
まず行うべきは、「なぜ整形外科を開業するのか」を明確にすることです。
以下のような問いに答えることで、方向性が具体化します。
- どのような患者に貢献したいのか
- どの地域で、どのような専門性を発揮したいのか
- 自分の強みを活かすには、どんな設備やスタッフが必要か
この段階で将来像を描き、それを実現するための「開業戦略」を立てることで、ブレのない準備が可能になります。
■ ステップ2:事業計画と資金戦略の立案
明確なビジョンをもとに、次に行うべきは事業計画の作成です。これは金融機関への融資申請だけでなく、スタッフ採用・設備導入・開業後の運営設計すべての基礎資料になります。
- 診療圏調査、競合分析、患者数の見込み
- 月別収支シミュレーションと返済計画
- 設備導入のスケジュールと費用分配
ここで第三者の視点を入れることも非常に重要です。開業支援の専門家や医療系税理士と連携しながら、抜け漏れのない計画を立てましょう。
■ ステップ3:開業後3ヶ月で「軌道に乗せる」運営体制
開業してからの最初の3ヶ月が、整形外科クリニックにとって極めて重要な時期です。集患、診療オペレーション、スタッフ教育など、この期間での対応がその後の定着と成長を左右します。
- 集患強化のための広報を継続的に展開
- 患者満足度アンケートを実施し、即改善につなげる
- スタッフ間で課題を共有し、業務改善会議を週1開催
開業後は日々の業務に追われがちですが、「振り返りと改善」のルーティンを設けることで、早期安定化と成長の土台が築かれます。
まとめ:成功する整形外科開業のために ― プロの支援を活用しよう
整形外科の開業は、医師としてのスキルだけで乗り切れるものではありません。資金計画、立地戦略、集患設計、スタッフ体制構築、そして経営数値の把握と、幅広い分野の知見と実行力が求められます。
そのすべてを一人で抱え込んでしまうと、「本来やるべき診療」に集中できず、結果的に患者満足度やスタッフ定着率に悪影響を及ぼすこともあります。
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