
クリニックの診療単価アップ戦略|保険診療の中でできる工夫
「患者数を増やすこと」は重要なテーマですが、人件費や医療材料費、光熱費などの高騰により、単純に患者数をのばすこととだけではなく、一人ひとりの診療単価をUPするという考え方もポイントとなってきます。本記事では、診療単価アップするためにはというテーマで、保険診療の範囲内で取り組める工夫などをご紹介いたします。
診療単価はクリニック経営の重要指標

診療単価とは、患者1人あたりの診療報酬額を指し、例えば1日の売上が20万円、来院患者数が50人であれば、診療単価は「4,000円」です。一般的にクリニック経営を把握する際、「患者数」「診療単価」「再来率」などを組み合わせて考えます。特に近年は人件費や物価の上昇により、患者数をのばすことだけでは、経営を維持することが難しくなりつつあります。「限られた診療時間の中で、どのように適切な診療体制を構築するか」が重要視されています。
単価アップ=“高額請求”ではない
「診療単価アップ」と聞くと、必要以上の検査や診療などを連想されることがあるかもしれませんが、「算定漏れを防ぐ」「適切な加算を取得する」「患者に必要な医療を提供する」「診療の質を高める」といった適正な診療報酬を得るための基本的な取り組みが大切です。
保険診療の中で診療単価を改善する考え方

算定漏れを防ぐ
クリニックでは、加算や管理料の算定漏れが発生することがあります。例えば、
- 指導料
- 管理料
- 在宅関連加算
- 時間外対応加算
- 情報通信機器を用いた診療関連
など、制度上算定可能であっても、運用体制が整っていないために算定できていないケースがあります。特に開業直後は、診療やスタッフ教育に追われ、算定体制まで十分に整備できないことも少なくありません。レセコン設定やスタッフ教育を含め、定期的に算定状況を見直すことが重要です。
疾患管理を継続できる体制を整える
慢性疾患を中心とした継続的な管理は、クリニック経営において重要なポイントです。
継続受診につながりやすい疾患
・高血圧
・糖尿病
・脂質異常症
・喘息
継続的な診療により、患者の健康維持にもつながるだけでなく、再来率の安定にもつながります。こういった疾患をもった患者が通院しやすいクリニックの仕組みづくりが、一つポイントとなります。
継続受診しやすいクリニック体制構築・定期受診の案内
・検査スケジュールの管理
・LINEや予約システム活用
・待ち時間対策
診療科ごとの特徴を理解する
診療科によって、患者層・診療内容・検査・通院頻度などの特徴にも違いがあります。
内科|継続受診と慢性疾患管理が重要
内科は、まさに上述の慢性疾患の継続管理が経営の安定につながりやすい点がポイントです。特に生活習慣病は、定期的な通院・検査・服薬管理が必要となるため、再来率が重要です。上記の「継続受診しやすいクリニック体制構築」が鍵となります。また、生活習慣病管理料をはじめ、継続的な指導・管理に関係する算定項目もあるため、診療体制や記録管理も重要です。近年は、患者数の多さだけではなく、“継続して通院してもらえるクリニックづくり”がより重視されています。
整形外科|リハビリと通院導線がポイント
整形外科では、リハビリテーションの運営が経営に大きく関わるケースがあります。
- 運動器リハビリ
- 物理療法
- 慢性疼痛
- 術後フォロー
特に上記などは、継続通院につながりやすい特徴があります。一方で、整形外科は待ち時間が長くなりやすい診療科でもあります。高齢患者も多いため、リハビリ動線、待合室の設計、受付のスムーズなオペレーション、スタッフを適切に配置することなどで、患者満足度が上がる可能性があります。また、リハビリスタッフの確保状況によって運営効率も左右されるため、人材採用やシフト設計も重要な経営要素です。
皮膚科|回転率と処置のバランスが重要
皮膚科は比較的回転率が高い診療科として知られています。湿疹やニキビ、蕁麻疹など、短時間診療になりやすいケースも多く、患者数が多くなる傾向があります。処置、検査、紫外線治療、自費診療との併用など、診療内容の幅が広い点も特徴です。保険診療と自由診療(美容領域)をうまく組み合わせることが大切です。
眼科|検査体制が経営に直結しやすい
眼科では、各種検査の比重が比較的大きい特徴があります。視力検査、眼圧検査、OCT、視野検査など、検査機器や検査体制が診療内容に大きく関わります。また、高齢化に伴い、白内障、緑内障、加齢黄斑変性などの患者増加もみられています。さらに、白内障手術を行う場合は、医療費が高額となり収益が上がりやすいです。
精神科・心療内科|継続診療と予約管理が重要
精神科や心療内科では、継続的な診療が中心となるケースが多くあります。うつ病、不安障害、ADHD、睡眠障害など、長期フォローとなる場合も少なくありません。そういった患者がしっかり通院しやすい体制をつくるため、再診予約の取りやすさ、診察時間設定の工夫などが大切になってきます。また、精神科は診察時間が長くなる傾向があるため、単純な患者数だけではなく、時間あたりの診療効率も重要になります。
小児科|季節変動への対応が重要
小児科では、季節によって患者数が大きく変動する傾向があります。例えば、冬季の感染症流行、花粉症シーズン、学校健診後の受診など、時期によって来院数が変化します。また、小児科では保護者対応も重要となるため、待ち時間、WEB予約、感染対策、スタッフ接遇などが口コミや再来率に影響しやすい特徴があります。特に近年は、WEB予約や順番待ちシステムを重視する保護者も多く、利便性がクリニック選びにつながるケースも増えています。
診療単価アップにつながる運営改善

スタッフ教育とオペレーション整備
診療報酬を適正に得るには、医師だけではなくスタッフの日々の業務も影響します。
例えば、問診内容の確認不足、算定条件の共有不足、レセプトチェック不足などがあると、本来算定できる内容を逃してしまうことがあります。
そのため、定期的な勉強会、マニュアル整備、レセプト確認フロー構築なども重要です。
予約システムやDX活用
予約システムや電子カルテなどの活用は、単なる効率化だけではありません。例えば、待ち時間短縮、受付混雑緩和、無断キャンセル対策、再診率向上につながる場合があります。一つ一つ効率化することにより、診療効率の改善や患者満足度向上につながります。
注意点:患者満足度とのバランスも重要
診療効率ばかりを重視すると、説明不足などによるスタッフ対応悪化、冷たい印象を与えてしまうなど、マイナスに作用してしまうこともあり得ます。短期的な収益改善だけではなく、地域で長く選ばれるクリニックづくりが重要です。
クリニック開業のご相談は、メディシーへ

- 立地選定(患者数の見込み)
- 診療科の選択
- 人員計画の設計
- 収支シミュレーション
これらの初期設計が適切でない場合、開業後にどれだけ改善を試みても、構造的な課題を抱え続けることになります。
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診療圏調査と立地選定
開業地の選定は、将来にわたって患者数を左右する重要なポイントです。 将来的な集患を見据えたエリア調査を実施し、競合状況や人口動態を分析。最適な立地選びをサポートします。
資金調達・事業計画支援
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医療機関の広告は、医療法などの規制を受けており、内容についても保健所などから指導があります。しかし、クリニックの存在を地域の方々に認知していただかないと、集患に繋がらないので、開業時の広告は必須です。
広告宣伝の方法もパンフレット・チラシ・駅看板や電柱広告など多岐に渡りますが、その中でもホームページは、医院側から情報発信できる有効な広告媒体なので、ホームページの開設はおすすめしております。
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