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クリニック電子カルテの選び方と導入メリット|開業医必見!

 

電子カルテは「どれでもいい」ではない!クリニックの未来を左右する選択

電子カルテは「どれでもいい」ではない!クリニックの未来を左右する選択

クリニックを新規開業する際、医療機器や内装と並んで非常に重要な選択肢の一つが「電子カルテ」です。かつては紙カルテが主流でしたが、医療の効率化とデジタル化が進む今、電子カルテは必須のインフラとなりつつあります。ただし、電子カルテは単なる記録ツールではありません。選び方を誤ると、診療の効率やスタッフの負担、果ては患者満足度にも影響を与えかねません。

特に開業時には、導入コスト、システムの操作性、レセプト処理との連携など、多角的な観点からの判断が求められます。本記事では、クリニック開業における電子カルテの選び方を徹底解説します。失敗しない導入を実現し、安心のクリニック経営を目指しましょう。

 

1.電子カルテとは?レセコンとの違いと基本機能

電子カルテの基本的な役割

電子カルテとは、医師が患者の診療情報を電子的に記録・管理するためのシステムです。診察内容、処方、検査結果、紹介状の作成、画像データなど、患者に関する多様な情報を一元的に管理できることが特長です。

従来の紙カルテに比べて、検索性や保存性に優れており、診療内容の記録を迅速かつ正確に行えることから、全国の医療機関で急速に導入が進んでいます。

レセプトコンピューター(レセコン)との違い

一方、レセコン(レセプトコンピューター)は、診療報酬の請求業務を行うためのソフトウェアです。保険診療の内容に応じた点数計算、レセプト(診療報酬明細書)の作成と提出を担います。

電子カルテは「診療記録」に、レセコンは「会計・保険請求」に特化しており、両者は別の目的で使用されます。ただし現在では、これらを一体型で提供する製品や、連携を前提に設計されたシステムが多く見られます。

ハイブリッド型・一体型システムの登場

近年では、電子カルテとレセコンを完全に統合した「一体型」や、予約・問診・会計までを網羅する「ハイブリッド型」のクラウドシステムも登場しています。特に開業医にとっては、煩雑なシステム連携の手間を省ける点が評価されています。

 

2.電子カルテを導入するメリットと注意点

業務効率化とペーパーレス化

電子カルテ最大のメリットは、診療業務の効率化です。紙カルテの保管・検索に時間を取られていた作業が、クリック一つで済むようになり、医師・スタッフの負担軽減につながります。また、紙資料の削減によるペーパーレス化で、保管スペースの圧縮にも効果があります。

診療情報の一元管理

電子カルテにより、処方歴・検査結果・紹介状・画像データなどを一括管理できるようになり、診療の質が向上します。これにより、患者の病状を正確に把握し、スムーズな連携診療や再診にも対応できます。

データ分析による経営支援

一部の電子カルテには、来院患者数・保険別点数・診療内容の傾向などを分析する機能が搭載されています。これにより、クリニック経営のPDCAをデータに基づいて回すことが可能になります。

注意点 初期コストと運用リスク

一方で、導入にはそれなりの初期投資が必要です。クラウド型・オンプレミス型を問わず、端末や周辺機器、ネットワーク構築などに加えて、スタッフ教育や保守契約費用も発生します。

また、停電・災害・通信障害などへの対応も必要です。クラウド型であればデータのバックアップ体制を、オンプレミス型であればUPSやサーバーの冗長化を検討すべきでしょう。

 

3.電子カルテの選び方|比較ポイントとチェック項目

電子カルテの導入は、単に「価格」や「見た目」だけで判断すべきものではありません。以下のようなポイントで比較・検討することが重要です。

クラウド型 vs オンプレミス型の違い

クラウド型

インターネット経由でアクセスし、端末にインストール不要。更新が自動で、初期費用を抑えられるメリットがあります。

オンプレミス型

自院のサーバーにシステムを設置。カスタマイズ性や安定性に優れますが、保守管理やセキュリティ対応にコストがかかります。

近年はクラウド型のシェアが増加傾向にあり、特に小規模クリニックや分院展開に適しています。

自院の診療スタイルとの相性

診療科によって、必要な入力項目や業務フローが異なります。皮膚科であれば画像管理、整形外科であれば撮影画像との連携、内科であれば検査オーダーや定期的な処方が重視されるなど、自院の特性に合ったシステムを選ぶことが重要です。

サポート体制・導入後の運用コスト

導入前のサポートや、トラブル発生時の対応スピードも選定の大きなポイントです。サポート窓口の有無や対応時間、チャット対応の可否などを確認しましょう。また、月額利用料、ライセンス数ごとの料金体系なども比較が必要です。

レセコン連携の有無と精度

レセプト請求業務を効率化するには、レセコンとのスムーズな連携が欠かせません。一体型の場合は手入力が最小限で済みますが、別々のベンダー製品を組み合わせる場合には連携の相性やトラブルのリスクも考慮すべきです。

 

4.導入時のステップと失敗しない進め方

導入時のステップと失敗しない進め方

電子カルテの導入には、計画的な準備と適切な手順が欠かせません。特に開業時には、院内の他業務と並行するため、スケジュール管理と事前確認が非常に重要です。

導入ステップの一般的な流れ多くの

代表的な導入ステップは以下のとおりです。

1. 情報収集と製品選定(3〜4か月前)

希望の機能や対応診療科を整理し、候補製品の比較検討を行います。

2. ベンダーからの提案・デモ実施

各製品の操作感、連携範囲、サポート内容を確認します。

3. 契約・導入スケジュール調整

開業準備スケジュールに合わせ、ネットワークやPC構成とともに整備。

4. 導入設定・操作説明・トレーニング

診療所側とベンダーによるシステム初期設定やレイアウト調整を行い、医師・スタッフ向けに基本操作の説明が実施されます。

5. 運用テスト・稼働開始

本番環境でのテストと動作確認を経て、稼働開始となります。

スタッフ研修とサポート体制の重要性

導入成功の鍵は、スタッフがスムーズに操作できる状態にあるかどうかです。多くの電子カルテ製品では、ベンダーが現地訪問やリモートによる導入支援、オンラインマニュアルなどを提供しています。

 

5.人気の電子カルテ製品を比較!特徴と選定のヒント

各社の電子カルテ製品は、診療科別機能・連携機能・導入形態などに違いがあり、自院に最適な製品を選ぶには特徴の把握が不可欠です。

Medicom-HRf(PHCホールディングス)

  • 導入形態: オンプレミス/クラウド型対応
  • 特徴: 30年以上の実績を持つ電子カルテ。レセプト一体型。診療スタイルに合わせた柔軟なカスタマイズが可能。
  • サポート体制: 全国157拠点のサポート網による訪問・電話対応

日医標準レセプトソフト(ORCA)

  • 導入形態: オンプレミス型
  • 特徴: オープンソース型のレセコン。医療機関が低コストでレセプト請求業務を効率化できる。
  • 備考: 全国のサポート事業所が運用支援(地域医師会を通じて対応可能)

M3デジカル(エムスリー)

  • 導入形態: クラウド型
  • 特徴: 初期費用0円・定額月額制。電子カルテレセプトの一体型あり。予約・問診などの連携もスムーズ。
  • 対応診療科: 内科・整形外科・皮膚科など多診療科に対応

CLIUS(株式会社Donuts)

  • 導入形態: クラウド型
  • 特徴: 直感的なUIが特長。予約・会計・問診などを一元管理でき、医師の記録作業を軽減。
  • サポート体制: 電話サポート(平日9:00〜18:00)・メールサポート・画面共有でのリモート支援あり

これらの製品は、診療内容・患者層・規模によって向き不向きが異なります。比較の際は、「診療科への適合性」「レセコン連携」「UI」「コスト」「サポート」の5軸で評価することが推奨されています。

 

6.電子カルテとDX化|これからのクリニック経営に必要な視点

近年、医療分野でも「DX(デジタルトランスフォーメーション)」の重要性が急速に高まっています。国が掲げる医療DX推進政策では、電子カルテやレセプト情報の標準化・共有化が重要な柱とされており、今後すべての医療機関がデジタル化の波に対応する必要があります。

電子カルテは医療DXの第一歩

電子カルテの導入は、医療機関におけるDXの第一歩と言えます。紙カルテでは分散していた情報が、電子カルテにより一元的に管理され、診療の質と効率の向上をもたらします。これにより、診療内容の確認が迅速になり、ミスの予防やスタッフ間の情報共有も円滑になります。

また、蓄積されたデータを分析することで、来院傾向や処方パターンなどの経営分析にも役立ち、医師の判断材料としても活用できるようになります。

外部システムとの連携による業務の最適化

多くの電子カルテは、予約システム、問診フォーム、会計システムなどと連携できる設計になっています。これにより、患者が来院する前から診療後の会計まで、院内業務をトータルで効率化することが可能です。

たとえば、事前のWeb問診によって来院後の診療がスムーズになり、レセプト作成が自動化されることでスタッフの業務負担を軽減できます。これは単なる便利機能ではなく、医療の提供体制全体を改革する「DX」の実践例のひとつといえるでしょう。

将来の診療ニーズにも対応する体制を

今後の医療現場では、オンライン診療、遠隔モニタリング、PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)との連携といった技術の活用が進んでいくと考えられます。こうした変化に備えるためにも、将来の拡張性や他システムとの柔軟な連携性を備えた電子カルテを選んでおくことが、継続的な経営安定につながります。

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7.まとめ 患者満足と経営効率を高める電子カルテ選びを

電子カルテは、診療記録を効率化するだけでなく、クリニックの経営や患者体験に大きな影響を与えるシステムです。特にレセプト業務やデータ活用との連携を見据えた「選定」が、長期的に診療所を支える柱となります。

導入を成功させるためには、以下の3点が重要です。

  • 自院の診療スタイルや将来像に合致した製品を選ぶこと
  • クラウド型・オンプレミス型、機能連携、UIなどを正しく比較すること
  • 信頼できる支援機関と連携し、客観的な視点で進めること

電子カルテを通じて、患者満足度と経営効率の両立を実現しましょう。選び方次第で、クリニックの成長速度と安定性は大きく変わります。

 

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