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外来医師過多区域とは?クリニック新規開業への影響

「外来医師過多区域」とは?

外来医師過多区域とは、地域ごとの医師数の偏りを是正するために導入された制度の中で、「外来医療を担う医師が相対的に多い地域」として都道府県が指定する区域のことを指します。
令和8年4月1日施行の改正医療法により、外来医師過多区域で新規開業する場合は規制がありますので、クリニック開業をお考えのドクターは事前に確認しておきましょう。

「外来医師過多区域」が導入された背景

背景には、都市部に医師が集中する一方で、地方では医師不足が深刻化しているという問題があります。利便性の高い都市部に診療所が集中し、地域によって医療アクセスに大きな差が生じてしまいました。

「外来医師過多区域」の定義

  • 外来医師偏在指標について、「全国平均値+標準偏差の 1.5 倍」以上
    かつ、
  • 可住地面積あたり診療所数が上位 10%以上

外来医師過多区域の指定には、「外来医師偏在指標」と呼ばれる指標が用いられます。これは単純な医師数ではなく、人口構成や患者の受療動向などを加味して算出される指標であり、より実態に近い医療需給バランスを評価するためのものです。

具体的には、「人口(年齢構成を含む)」・「医療機関の数」・「外来患者の流入・流出」・「医師数(診療所医師)」を総合的に分析し、一定の基準を上回った地域が「外来医師過多区域」として指定されます。

そのため、一見人口が多く需要がありそうな都市部でも、医療機関が過剰に存在する場合には過多区域として指定される可能性があります。

外来医師過多区域の候補区域一覧 ※令和8年3月27日公表

都道府県二次医療圏名該当市区町村
東京都区中央部千代田区、中央区、港区、文京区、台東区
東京都区西部新宿区、中野区、杉並区
東京都区西南部目黒区、世田谷区、渋谷区
京都府京都・乙訓京都市、向日市、長岡京市、大山崎町
大阪府大阪市大阪市
福岡県福岡・糸島福岡市、糸島市
東京都区南部品川区、大田区
東京都区西北部豊島区、北区、板橋区、練馬区
兵庫県神戸神戸市

参考:厚生労働省HP「外来医師過多区域に係る候補区域の公表について

“外来医師多数区域” との違い

外来医師過多区域と混同されやすい概念として「外来医師多数区域」がありますが、この2つは明確に異なります。

  • 外来医師多数区域:現状把握のための指標
  • 外来医師過多区域:政策的に対応が必要とされる区域

外来医師多数区域は、あくまで「医師数が一定以上存在する地域」を示すものであり、直接的な規制や手続き義務はありません。一方で外来医師過多区域は、より踏み込んだ位置づけとなっており、開業時に一定の対応が求められる可能性があります。

開業を検討する際には、「過多区域に該当するかどうか」が重要になります。

 

なぜ外来医師過多区域が問題視されているのか

人々が行き交うイメージ

外来医師過多区域という制度は、単なる数値上の分類ではなく、日本の医療提供体制が抱える構造的な課題が背景にあります。

都市部への医師集中の実態

日本では長年にわたり、医師の多くが都市部に集中する傾向があります。特に診療所(クリニック)は、人口が多く利便性の高いエリアに集まりやすく、結果として都市部では医療機関同士の競争が激化しています。

一方で、地方や郊外では医師不足が問題となっており、同じ国内であっても医療へのアクセスに差が生じています。これは患者にとっても大きな問題であり、「必要な医療が受けられない地域」が存在することにつながります。

こうした偏在は、単に医師数の問題ではなく、診療科の偏りや勤務形態など複合的な要因によって引き起こされています。

国が規制を強めている背景

こうした医師偏在の問題に対応するため、国は医療法の改正を通じて、地域ごとの医療提供体制をコントロールする方向へと舵を切っています。特に外来医療については、病院と異なり比較的自由に開業できるため、偏在が生じやすい領域です。そのため、外来医師過多区域という形で「一定の抑制」をかける仕組みが導入されました。

この制度の特徴は、強制的に開業を制限するのではなく、

  • 事前の届出
  • 地域医療への貢献要請
  • 情報の公表

といった形で、間接的に調整を図る点にあります。

つまり、外来医師過多区域で「開業できない」わけではないものの、地域との関係性や役割がより強く求められるようになっているのです。

今後さらに規制が強化される可能性

現時点では、外来医師過多区域における規制は比較的緩やかなものにとどまっています。しかし、医師偏在の問題は依然として解消されておらず、今後さらに制度が強化される可能性も指摘されています。

例えば、地域医療への貢献内容の具体化、届出後のフォロー体制の強化、実質的な開業抑制につながる運用などが進む可能性があります。このような流れを踏まえると、これから開業を検討する医師にとっては、「過多区域をあえて選ぶ理由があるか」を慎重に考える必要があります。

単に人口が多いという理由だけで都市部を選択するのではなく、将来的な制度変更リスクも含めてエリアを選定することが、安定したクリニック経営につながります。

 

外来医師過多区域で開業する場合

ビックリマーク

外来医師過多区域は「医師が多いエリア」というだけでなく、開業時の手続きやその後の運営において、通常のエリアとは異なる対応が求められる可能性があります。ここでは、開業を検討するうえで実務的に影響するリスクを整理します。

事前届出が必要

外来医師過多区域で新たに診療所を開設する場合、都道府県から外来医師過多区域の新規開業者に対し、開業6か月前に提供予定の医療機能等の届出を求め地域によっては都道府県への事前届出が求められます。これは、開業を完全に制限するものではありませんが、「どのような医療を提供するのか」を事前に示す必要があるということです。つまり、行政との調整を前提とした開業プロセスが必要です。この手続き自体が大きな負担になるわけではありませんが、スケジュールの遅延や計画変更の可能性を考慮する必要があります。

地域医療への役割が求められる

外来医師過多区域では、単に外来診療を行うだけでなく、地域医療への貢献が求められる場合があります。

具体的には、

  • 在宅医療への対応
  • 夜間・休日診療への協力
  • 地域の医療機関との連携

といった役割が想定されています。

これは義務というよりも「要請」に近い位置づけですが、実質的には開業後の運営方針に影響を与える要素です。特に、外来中心で効率的な経営を想定している場合、こうした役割が追加されることで、人的リソースや運営体制の見直しが必要になる可能性があります。

競争環境が厳しくなる

外来医師過多区域は、そもそも医療機関が多いエリアです。そのため、制度面の問題とは別に、純粋な経営リスクとして「競争の激しさ」があります

同一エリア内に類似診療科が複数存在する場合、患者の取り合いになる・広告や集患コストが上昇する・差別化が難しくなるといった状況が発生しやすくなります。

特に近年は、Web集患や口コミ評価の影響が大きくなっており、単に立地が良いだけでは安定した患者数を確保することが難しくなっています。外来医師過多区域は制度面と市場競争、両方の観点で開業のリスクがあると言えます。

 

外来医師過多区域を避けたクリニック開業

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外来医師過多区域を避けた戦略が、今後鍵となってきます。

外来医師過多区域に指定されていないエリアは、裏を返せば「医療供給が不足している、または適正水準にある地域」とも言えます。

このようなエリアでは、

  • まだ競合が少ない
  • 医療ニーズが満たされていない
  • 地域から歓迎されやすい

といった特徴があります。

特に新規開業の場合、ゼロから患者基盤を構築する必要があるため、「すでに競争が激しい市場」よりも「需要が残っている市場」を選ぶ方が合理的です。

人口動態と医療需要をセットで考える

未指定エリアであっても、単に「医師が少ない」だけでは十分ではありません。重要なのは、その地域に将来的な医療需要があるかどうかです。

例えば、「人口が増加しているエリア」「ファミリー層が流入している住宅地」「高齢化が進んでいる地域」などは、それぞれ異なる医療ニーズを持っています。つまり、エリア選定では「医師数」だけでなく、「人口構造」「将来の変化」を含めて総合的に判断することが重要です。

 

埼玉でクリニック開業をおすすめする理由

埼玉のイメージ図

外来医師過多区域を避けた開業戦略を考えるうえで、埼玉エリアは非常に有力な選択肢となります。単に「都心に近い」という立地的な利便性だけでなく、医療需要と供給のバランスという観点から見ても、開業に適した条件が揃っているためです。

人口流入が続くエリア構造

埼玉県は首都圏のベッドタウンとして、長年にわたり人口流入が続いているエリアです。特に東京に通勤・通学するファミリー層の流入が多く、安定した医療需要が見込める点が大きな特徴です。

人口が増加している地域では、

  • 小児科・内科のニーズ増加
  • 防医療(健診・ワクチン)の需要拡大
  • 将来的な高齢化による医療需要の増加

といった、長期的に安定した患者基盤を構築しやすい環境が整っています。

一方で、急速な人口増加に対して医療機関の整備が追いついていないエリアも存在しており、「需要はあるが供給が不足している」というギャップが生まれています。これは新規開業において大きなチャンスとなります。

東京近郊でありながら医療供給に偏りがある

埼玉県は東京都に隣接しているため、医療資源も十分にあるように見えますが、実際にはエリアごとの偏りが存在します。特に、「駅前や主要都市部にはクリニックが集中」「住宅地や新興エリアでは医療機関が不足」といった傾向があります。

「同じ市内でも医療の充足度に差がある」という状況が生まれています。つまり、適切なエリアを選定すれば、過度な競争を避けつつ、一定の患者数を確保できる可能性が高いのです。

開業コストと収益性のバランスが良い

開業においては、「患者数」だけでなく「コスト構造」も重要な判断要素です。その点において、埼玉はコストと収益のバランスが取りやすいエリアといえます。

例えば、

  • テナント賃料が都内より抑えられる
  • 駐車場付き物件の選択肢が多い
  • 広い物件を確保しやすい

といった特徴があります。

これにより、初期投資を抑えた開業・診療スペースの確保(複数診察室など)・将来的な拡張性の確保が可能になります。特に郊外型のクリニックでは、駐車場の有無が来院数に大きく影響するため、この点は重要なポイントです。

 

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握手するドクターと男性の写真

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