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コラム

Column

クリニック医療機器導入の選定ポイント

クリニックの電子処方箋導入、補助金2026年9月まで延長に

1. 電子処方箋導入における補助金活用の重要性

これまで紙でお渡しした処方箋を患者が薬局に持参するという流れがいたって普通でしたが、医療機関がDX化を進める中で、電子処方箋は推し進めたいDX化の一つです。

電子処方箋を導入すれば、処方情報がデジタルで管理・閲覧でき、重複投薬の予防や薬歴の共有、処方内容の見直し支援など、さまざまなメリットがあります。さらに、補助金制度があるうちは、大規模病院では3分の1診療所では2分の1が補助されるなど、初期投資の負担を軽減できるチャンスがあります。

いずれ電子処方箋を導入するのであれば補助金が適応されるうちに対応することが導入のハードルを下げることにもつながります。

競争力・イメージ面での後れ

競合のクリニックが電子処方箋を使って効率化を進めていく中、紙処方箋のみの運用ですと、結果的に患者の利便性や評判で不利になる恐れがあります。

導入に踏み切れない心理的壁

コスト面を考えて導入を断念してしまう方も多いかもしれません。補助金を活用できるうちに導入を一度検討してみるとよいでしょう。

 

2.電子処方箋の導入はどのくらい進んでいる?

電子処方箋の導入拡率について(デジタル庁のデータより)

出典:「電子処方箋の利活用に向けた進捗状況」(デジタル庁)(https://www.digital.go.jp/resources/govdashboard/electronic-prescription#03

電子処方箋導入のための補助制度(ICT基金等)は、2025年(令和7年)9月までの期限をもって導入を促すものでした。しかし、補助制度が終わろうとしている中で、電子処方箋の導入は2025年9月時点で35.7%と伸び悩んでおります。電子処方箋は、まだまだ普及が大きな課題となっています。

電子処方箋、施設別の導入状況(2025年9月時点デジタル庁のデータ)

出典:電子処方箋、施設別の導入状況(デジタル庁)(https://www.digital.go.jp/resources/govdashboard/electronic-prescription#03

施設別にみていきましょう。薬局の導入率が最も高く85.9%、最も低いのが歯科診療所の導入率6.4%です。病院は16.1%医科診療所は22.5%といずれも高い数値とは言えず、これから導入を促進していくことが大切です。

 

3. 補助金の導入期限が2026年9月(令和8年9月)まで延長

令和7年10月以降の電子処方箋の導入補助について(厚生労働省医薬局総務課のデータ)

出典:「令和7年10月以降の電子処方箋の導入補助」厚生労働省HP(https://www.jshp.or.jp/content/2025/1006-2.pdf

今回、補助制度の延長が決まりました。2025年(令和7年)10月以降に導入するものも補助対象とし、かつ導入期限を 2026年(令和8年)9月30日まで延長することが、2025年9月29日の「第5回電子処方箋推進会議」において決定されました。電子処方箋の普及をさらに促進するための措置であり、導入が遅れていた医療機関やクリニックにとって、再び補助金を活用できる大きな機会となります。

院内処方機能の導入も、補助対象に

これまで院外処方機能が補助対象でしたが、今回の期間延長に伴い、院内処方機能の導入も補助対象となりました。
診療所内で調剤・交付を行うクリニックにとっても、補助を受けて電子処方箋システムを導入できるようになった点は大きな前進です。

 

4. 電子処方箋の主なメリット

ノートパソコンとスマートフォンとグラフ資料、DX化のイメージ図

クリニックの業務負担を大幅に軽減できる

電子処方箋の導入は、患者の利便性だけでなく、医療機関側の業務効率化にも大きく貢献します。

従来の紙処方箋では、印刷・押印・管理・再発行などの細かな作業が発生していました。電子処方箋ではこれらがデジタル化され、処方データが自動で送信・保存されるため、事務作業が大幅に削減されます。

また、紙の保管や管理が不要となり、ファイリング・点検・保管スペースの削減にもつながります。スタッフは患者対応や院内オペレーションに集中でき、診療効率と職員満足度の両方を高めることができます。

正確で安全性の高い処方へ、診療の質向上にもつながる

複数の医療機関に通っている患者の場合、似た作用の薬が重複したり、飲み合わせの悪い薬が処方されるリスクがあります。電子処方箋では、直近の薬剤情報を医師・薬剤師がリアルタイムで共有できます。医師がより正確な判断をする手助けとなり、トラブルを未然に防げます。

システム上で相互作用のチェックも行えるため、薬の組み合わせによる副作用リスクを低減できます。結果として、安全性の高い治療が実現し、患者の安心感も向上します。

どこでも自分の薬情報を確認・共有できる

電子処方箋に対応した医療機関や薬局では、患者の処方・調剤情報が電子的に登録・共有されます。
そのため、転勤・進学・引っ越しなどで通院先が変わっても、医師や薬剤師がこれまでの薬歴を正確に把握できます。

また、災害時や旅行先など、普段と異なる環境でも、常用している薬の情報を確認したうえで適切な医療を受けることが可能です。
情報提供には患者本人の同意が必要ですが、一度同意すれば、全国どこでも服薬情報を安全に参照できます。

薬の受け取りがスムーズに、待ち時間短縮にも

電子処方箋では、医師や歯科医師が登録した処方情報を、患者が選んだ薬局の薬剤師がオンラインで取得して調剤します。
紙の処方箋を持参する必要がなく、引換番号を事前に伝えるだけで調剤が始められるため、待ち時間が大幅に短縮されます。

さらに、家族など代理人による受け取りにも対応でき、患者が来局できない場合でも柔軟な対応が可能です。
オンライン診療やオンライン服薬指導と組み合わせれば、診察から薬の受け取りまでを自宅で完結できる場合もあります。

自分自身で薬の履歴を確認できる

電子処方箋に対応する医療機関・薬局で発行された処方情報は、マイナポータルを通じて確認できます。
スマートフォンとマイナンバーカードがあれば、過去の処方薬や服薬履歴をいつでも閲覧できるため、「どの薬を、いつ、どの医師に処方されたか」が明確になります。

マイナポータルと連携する電子お薬手帳アプリでは、最新の処方情報をリアルタイムで確認でき、市販薬購入時の飲み合わせチェックにも役立ちます。薬の情報を自分で管理することで、セルフメディケーションにもつながります。

 

5. まとめ

ポイントの図

電子処方箋の導入は、今後の医療DX推進の中核を担う重要な取り組みです。

2026年(令和8年)9月まで補助金の導入期限が延長されたことで、導入を迷っていたクリニックにも大きな追い風が吹いています。

電子処方箋の導入によって得られる効果は、単なる「ペーパーレス化」にとどまりません。医療機関・薬局・患者の三者が正確な情報をリアルタイムで共有できるようになり、医療の安全性と効率性の両立を実現します。さらに、リフィル処方やオンライン診療とも親和性が高く、クリニック運営における新しい診療モデルを支える基盤にもなります。

主な導入メリットをあらためて整理すると、次の通りです。

  • 医師・スタッフの業務負担を軽減できる
  • 全国どこでも服薬情報を共有できる
  • 重複投薬や飲み合わせのリスクを減らせる
  • 薬の受け取りがスムーズになり、待ち時間を短縮できる
  • 患者自身が薬歴を管理できる

これらの効果はすべて、「患者満足度の向上」と「クリニック経営の効率化」に直結します。

 

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