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コラム

Column

開業医向け採用支援コラム

クリニック開業医・院長が面接で聞くことやポイントを解説

1. 院長が面接で重視すべきポイントとは?

クリニック運営において、スタッフ採用を失敗すると医療の質・職場環境・経営に直結します。院長として面接時にチェックすべき本質的な視点を明確にしておくことは非常に重要です。

院長視点で重視すべき「5つのポイント」

価値観・理念への共感・適合性

クリニックの理念、診療方針、地域性、診療スタイル(たとえば予防重視・地域密着型・自由診療併用など)に対して、応募者がどの程度理解・共感できているかを見ます。理念や方向性にぶれがあると、日常業務レベルでのズレが出やすくなります。

実務経験・スキルと応用力

看護師・医療事務・受付スタッフなど職種別の実務経験・専門スキル(電子カルテ操作、レセプト処理、保険請求、接遇、応急対応など)を聞くだけでなく、「その経験を自院でどう活かすか」を応募者に語ってもらうことで、応用力の有無を見極めます。

コミュニケーション能力・ホスピタリティ

クリニックでは患者対応・受付対応などが不可欠です。応対の語り口・礼儀正しさ・相手の立場に立った発言内容を通じて、患者目線・院内連携力があるかどうかを考えましょう。

適応力・柔軟性・ストレス耐性

患者数変動、クレーム対応、急な業務変化、他部門との調整など、クリニック運営は変化が付き物です。予期せぬ事態に対してどのように対処するか、過去の経験や思考プロセスを聞いて、対応力を推し量ります。

長期志向・定着意欲

特にスタッフの回転が激しいと、教育コスト・業務の混乱を招きます。面接で「今後どのようなキャリアを描きたいか」を聞き、長期雇用につながる意欲を持つ人材かどうかを確認します。

これらのポイントを軸に、質問設計・評価観点を整えて面接を計画することが院長・採用担当者の最初のステップです。

 

2. クリニック面接での適切な質問例とその意図

面接の風景

それでは、具体的な質問例を、質問意図・観点とともに見ていきましょう。

価値観・理念適合性を探る

なぜ当院を志望されたのですか?

応募者が自院を選んだ動機・理念共感度・事前調査の深さを把握するために、志望動機を確認しましょう。

当院の診療方針や理念で、共感する点と懸念点はありますか?

表面的な志望動機ではなく、本音レベルでのギャップ予測を探ります。

今後5年・10年、医療の場でどのようにキャリアを築きたいですか?

長期ビジョンの有無と、院長が描く組織像との整合性を確認しましょう。

実務スキル・応用力を検証する

これまで担当されてきた業務内容を具体的に教えてください

経歴だけでなく、具体業務・役割範囲・責任範囲を把握することで、自院で働いてもらうイメージができるかの検討材料になります。

過去に自分が担当して、最も成果が出た取り組みは何ですか?どう工夫しましたか?

実務対応力・工夫力・思考プロセスを見ましょう。

当院では〇〇システムを採用していますが、似たシステムの使用経験はありますか?

電子カルテ/会計ソフト/保険請求システム等の使用経験の質問です。同じシステムを使用していた経験があれば、すぐに即戦力として動いてくれる期待ができます。同システムの使用経験がなくても、慣れていくにはどうするか?というアピールがあると、移行・適応力、学習意欲を見ることができます。

これまでにヒヤリハット・ミス経験はありますか?そのときどう対応しましたか?

誤り対応能力・冷静さ・再発防止意識があるかを確認しましょう。

コミュニケーション・対応力を探る

患者さまからクレームを受けた経験はありますか?どのように対応しましたか?

接遇力・クレーム対応力・言動の一貫性があるかを確認します。

他職種(看護師、医師、受付、リハビリなど)と意見が対立したことは?そのときどう調整しましたか?

チームワーク・協調性・調整力があるかどうかは、クリニックにとってとても大切です。

忙しい時間帯に複数タスクが重なったとき、優先順位をどう判断しますか?

思考の優先順位づけ・現場判断力がどのくらいあるかを見ていきましょう。

適応性・ストレス耐性・変化対応

業務改善・効率化などの提案をされたことはありますか?その提案の実績を教えてください。

主体性・改善志向・提案力がどのくらいあるかを見ていきます。

予期せぬトラブル(システム故障、医師急病、クレーム集中など)が起きたらどうしますか?

即応力・臨機応変さを確認しましょう。

逆質問・最後の確認

面接の締めくくりに 応募者からの「逆質問」 を受けることで、本気度・関心の深さが見えます。いくつか例を挙げます。

「御院で活躍しているスタッフはどのような特徴を持っていますか?」
「未経験領域でも活躍している方はいらっしゃいますか?」
「入職後に学んでおいた方が良いことはありますか?」
「今後、クリニックとして強化していきたい課題は何ですか?」

逆質問からは、応募者がどれだけ「組織・業務を理解したいか」「長く関わる視点があるか」が透けて見えることがあります。

 

3. 応募者の本質を見抜くための面接テクニック

チェックリストとペンを持つ手

質問例を提示しただけでは不十分です。面接中に「応募者の本質(やる気・適性・思考スタイルなど)」を見抜くためのテクニックを、院長・採用者視点で紹介します。

沈黙・間を活かす「問い返し・掘り下げ」

応募者が最初に答えた内容に「なぜ?」「どういう意味?」といった問い返しを重ねることで、表層の回答を深掘りできます。例えば「このクリニックを志望した理由は理念に共感したから」という回答に対して、「理念のどの部分に共感しましたか?」「それは過去経験とどう結びつきますか?」とさらに掘ることで、本心や具体性が見えてきます。

また、回答後の沈黙を適度に待つ(間を持たせる)ことにより、応募者にもう一歩踏み込んだ追加説明を促すことも有効です。

仮説検証型質問を使う

面接前に「この応募者にはこの点を問いたい」という仮説(例:柔軟性が低そう、提案力が強そう、主体性が低そう)を立てておき、それを検証する質問をあえて設計します。たとえば「改善提案の経験」を聞くことで主体性仮説を検証する、という具合です。

こうして仮説をもって問いかけ・評価することで、偶然の印象によらず構造的な見立てが可能になります。

ロールプレイ・ケーススタディ型質問を取り入れる

実務に近い状況を想定したミニケースを出し、応募者にその場でどう対応するか答えてもらう方法です(たとえば「受付混雑、会計ミス発覚、患者クレーム同時発生」など)。この方式は、応募者の咄嗟の判断力・思考プロセス・ストレス耐性・優先順位づけを観察でき、書類上の評価に加えて非常に有効です。

非言語観察と一貫性チェック

言葉だけでなく被面接者の表情・姿勢・言葉の抑揚・アイコンタクトにも注目します。また、矛盾・一貫性のチェック(最初の回答と後段回答が食い違わないか)も重要です。例えば「協調性を重視する性格」と言いながら、チーム調整経験を聞くと矛盾が出ることがあります。

面接後にフィードバック時間を設け、他メンバーと意見交換

院長1人で面接を完結させるのではなく、複数面接官(看護師長・医療事務長など)が関わると、観点が増えます。面接後に感想交換・評価すり合わせの時間を確保して、見落としを防ぐべきです。

 

4. 面接後のフォロー

面接が終わって終了ではなく、その後のフォローも必要です。

面接後にすること

面接直後に評価を記入

面接終了後すぐに記録を残すことで、記憶が新しいうちに根拠を残せます。

他面接官との比較会議

複数名で評価共有し、意見を擦り合わせ、主観バイアスを補正します。

ランク付け・合否判断支援表作成

得点化・強み・懸念点を列挙し、最終判断用資料を作成します。

フォローアップ面談/最終確認

必要であれば、最終面談や院内見学を挟むことで判断を補強します。

不採用者フォロー・内定者フォロー

内定者には早めにコミュニケーションを取り、離脱防止を図ります。また、不採用者へ丁寧な連絡を行い、将来的なリーチ可能性を残しましょう

 

5. 院長としての魅力を伝えるコミュニケーション方法

様々な人種・個性イメージ

面接は一方向の評価ではありません。優秀なスタッフ・人材も面接官を「評価」しています。院長・クリニックとしての魅力を伝えることで、良い応募者を引き寄せ、定着させる土台を築きましょう。

信頼感を醸成する「言葉づかい・姿勢」

率直で丁寧な言葉遣い

応募者に対して偉そうに振る舞うのではなく、対等な立場でのやり取りを意識することで、安心感を与えられます。

ビジョン・方向性の共有

クリニックの診療方針・地域目標・将来構想を語ることで、「このクリニックで働きたい」というモチベーションを醸成できます。

長期キャリアを語る

院長自身のキャリアストーリーやクリニックの将来像を語ることで、応募者に「伴走感」を感じさせることができます。

選考過程を透明化・丁寧対応

面接日程・合否連絡スケジュールを明示

応募者は不安を抱えています。いつまでに結果が分かるか、どのような流れかを説明することで安心感を与えます。

面接前の案内資料・職場案内

簡単なクリニック概要、スタッフ構成、院内見学誘導などをあらかじめ案内しておくと、応募者の緊張軽減につながります。

面接後フォロー・感謝の言葉

時間を割いて来てくれた応募者に対して、面接終了後も感謝の言葉を伝え、丁寧さを印象づけます。

不採用通知も丁寧に

誰でも、不採用になっていい気持ちがするわけがありません。より一層気を付けて、応募書類の返却とともに通知文をお送りしましょう。

実際の現場を見せる工夫(オープンハウス型面談)

可能であれば、面接前後に 院内見学・スタッフとの交流時間 を設けるとよいでしょう。実際のスタッフ雰囲気やオペレーションを肌で感じてもらうことで、応募者のミスマッチを防ぐと同時に、クリニックの魅力も伝わりやすくなります。

また、最終面接段階では ロールモデルスタッフとの対話機会 を設けると、応募者に具体的な働き方イメージを持たせられ、入職後のギャップを減らせます。

フィードバック文化を始める

採用面接で、最終選考後には 簡易なフィードバック(良かった点・改善点) を応募者に伝える制度を設けると、クリニックとしての信頼性が上がります。評価の透明化・丁寧対応は口コミ評価・転職者ネットワークにおいてプラスに働くことがあります。

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