
看護師の給与はいくら?採用に困っているクリニック必見
1. 看護師の採用に悩むクリニックが直面する現状
全国的に看護師不足が続くなか、クリニック経営者や院長にとって「採用力をいかに高めるか」は大きな課題です。求人広告を出しても応募が少ない、採用してもすぐに離職してしまう――そんな声は珍しくありません。背景には、看護師の給与水準と職場選びの基準が関係しています。
給与だけに注目して採用を考えてしまうと、採用活動はなかなかうまく進みません。看護師は給与水準だけでなく、働きやすさやキャリア形成の可能性など、複合的な視点で職場を選んでいるからです。
本記事では、クリニックで働く看護師の給与の実態、病院勤務との違い、採用成功のための給与設計・職場環境づくりについて紹介します。
2. 看護師の月収はどのくらい?
求人を検討する際に、他の医療機関の給与水準をまずは参考にする方も多いのではないでしょうか。厚生労働省の調査結果から、看護師の平均月収を年齢階層ごとに見てみましょう。
年齢階層別の平均月収(役職者を含む)

出典:厚生労働省ホームページ (看護師の年齢階級別平均賃金)
このデータから、看護師の平均給与は20代前半ですでに月収30万円を超え、その後は年齢とともに上昇し、50歳前後で46万円台に達することがわかります。60歳以降はやや下がる傾向が見られるものの、全体として安定した給与水準が確保されています。
※上記グラフは、手取り額ではなく税込み額です。
※役職者含むデータです。
一般看護師の平均月収(役職者を除く)

出典:厚生労働省ホームページ (看護師の平均賃金)
平成24年から令和3年までの推移を見ると、39〜40万円前後で安定しており、大きな増減はありません。これは全産業平均より高い水準を維持しており、看護師が専門職として安定した給与水準にあることを示しています。
※上記グラフは、手取り額ではなく税込み額です。
※役職者を除いたデータです。
3. 給与に影響を与える要因とは?
同じ看護師資格を持っていても、給与水準にはさまざまな要因が影響します。とくにクリニックにおいては以下のような要素が重要です。
経験年数・スキル・資格
経験豊富な看護師ほど、採血や処置のスキル、患者対応の経験が豊富で即戦力として評価されやすくなります。また、認定看護師など専門資格を持つ場合は給与が上乗せされるケースもあります。
夜勤やシフトの有無
看護師の給与に大きく影響する要素のひとつが夜勤手当です。病院勤務では夜勤や交代制勤務が多く、その分の手当が月収に上乗せされる傾向があります。クリニック勤務は日勤中心で夜勤がないため、夜勤手当による加算がなく、病院勤務と比べると月収水準が低くなるケースがあります。ただし、勤務時間が規則的で残業が少ないといった条件は、給与以外の魅力として看護師の職場選びに影響します。
地域・立地条件・クリニックの規模
都市部と地方では生活コストが異なるため、給与水準にも差が出ます。また、診療科目やクリニックの規模によっても給与は変動します。例えば、美容クリニックや自費診療を多く扱うクリニックでは給与が高めに設定されるケースもあります。
給与は単純に「高ければよい」というものではなく、クリニックの規模や診療科、勤務環境に応じた水準をどう設定するかが採用成功のカギとなります。
4. 給与以外に求職者が重視する要素
クリニックが採用活動を行う際、単に給与額を提示するだけでは応募が集まりにくい状況が続いています。看護師不足が深刻化する中で、求職者は給与以外にもさまざまな条件を比較して職場を選んでいます。
職場環境・働き方・人間関係の影響
給与が魅力的でも、残業が多い、シフトが不規則、院内の人間関係が悪いといった職場は敬遠されます。看護師にとって「働きやすさ」は給与と同じくらい重要な要素であり、口コミや評判が採用に大きく影響します。
キャリア形成と成長機会
近年はクリニックでも、研修制度や外部セミナー参加支援などを整備するケースが増えています。看護師にとって「成長できる環境」は大きな魅力であり、採用に直結します。給与が平均水準でも、キャリア形成を支援する仕組みがある職場は選ばれやすいのです。
5. 採用を成功させる給与設計と提示の工夫
給与は採用活動における重要な判断基準のひとつですが、その「設計」と「提示方法」によって印象は大きく変わります。
基本給・手当・賞与の設計
クリニックの場合、夜勤がない分基本給が低く設定されがちですが、職務手当や資格手当を設けることで公平性とモチベーションを担保できます。賞与は年2回支給するなど、収入の安定性を重視した設計は応募者に安心感を与えます。
昇給・キャリアパスの提示方法
給与額そのものに目が行きがちですが、「この職場で働き続ければ収入がどう上がるのか」を明示することも重要です。たとえば、勤続年数や役割に応じた昇給制度を求人票に記載するだけでも、長期的に働きたい人材に響きます。
福利厚生や働きやすさの付加価値
給与以外の要素を強化することで、病院との差別化を図れます。具体的には、有給休暇取得率の高さ、産休・育休制度の充実、残業の少なさなどをアピールすることです。看護師は「家庭と両立できるか」を重視する人が多いため、福利厚生の工夫は採用成功に直結します。
給与を高く設定できないクリニックでも、「設計」と「提示の工夫」で十分に採用力を高めることが可能です。
6. 「クリニックの魅力」をどう発信するかが採用のカギ
クリニックが看護師を採用する際、給与や待遇はもちろん重要ですが、それだけでは採用競争に勝つことはできません。求職者に「ここで働きたい」と思ってもらうには、給与条件に加えて、自院の特色や働く魅力をどう発信するかが鍵となります。
求人票以外の発信、自社HPやSNSも活用しよう
求人票に記載するだけでなく、自院ホームページやSNSでも積極的に発信すべきです。看護師は転職活動の際にネット検索や口コミを参考にすることが多く、情報が分かりやすく整理されているかどうかは応募意欲を左右します。給与モデルや昇給制度、勤務条件を視覚的に示すことで信頼性を高められます。
クリニック独自の魅力を打ち出す
勤務先の規模感などの観点から、例えば病院よりもクリニックのほうが「患者との距離が近いので深く関われる」「少人数でアットホームな雰囲気」といった魅力があるかもしれません。こうした魅力は、職場選びの決め手になることがありますので、積極的に打ち出しましょう。
採用広報における工夫
採用競争が続くなかで、単に条件を提示するのではなく「クリニックの特色」を伝える発信が欠かせません。公式サイトやSNSでスタッフインタビューや院内の雰囲気を紹介するなど、求職者が「働く自分」をイメージできる情報提供を行うことで、クリニックの魅力を伝えることができます。
7. 持続可能な給与設計と採用戦略の両立
クリニックが看護師を採用する上で、給与は最も重要な条件のひとつですが、給与設計の透明性と働きやすさの両立が大切です。基本給・手当・賞与・昇給制度を明確に示し、看護師が将来的なキャリアを描けるようにすること。そして、勤務時間の安定性、福利厚生、ライフステージへの柔軟な対応、人間関係を含む職場文化といった要素を整えることで、長期的な定着につながります。
また、求人をSNSなどでも発信したり、クリニックの特色や働く雰囲気が想像できるような打ち出し方をするとよいでしょう。
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