LINE活用で集患対策をしよう|クリニックのSNS運用
1.なぜ今、クリニックにLINE活用が求められるのか
医療業界では、デジタル化の波が年々強まっています。
特に患者との接点を増やし、効率的なコミュニケーションを図る手段として「LINE」の活用が注目されています。LINEは日本国内で約9,500万人(2025年現在)が利用するSNSであり、年代や地域を問わず幅広く浸透しているため、患者との連絡手段として極めて有効です。
従来の電話や受付窓口での対応は、患者・医療スタッフ双方にとって時間的負担が大きいという課題がありました。そこで、クリニックでもSNSの一種であるLINE公式アカウントを活用し、予約や通知、情報発信を効率化する流れが進んでいます。
LINEはただのコミュニケーションツールにとどまらず、「集患」「業務効率化」「リピート促進」といった観点でも大きなメリットがあります。この記事では、LINEの基本から活用方法、注意点まで詳しく解説し、クリニックのLINE活用によるSNS運用の成功事例へと導きます。
2.LINE公式アカウントとは?クリニック導入における基本知識
LINE公式アカウントとは、企業・団体がLINE上で情報発信やユーザーとのコミュニケーションを行えるビジネス用アカウントです。個人で使っているLINEアカウントとは異なり、メッセージ配信機能や自動応答、リッチメニューなどの機能が搭載されています。
クリニックにおいては、このLINE公式アカウントを活用することで、患者に対して直接アプローチできるチャネルを構築できます。予約情報、診療時間の案内、健康情報の提供などをLINEで行うことで、より身近で迅速なサービス提供が可能となります。
また、LINE公式アカウントは無料プランから始められ、初期コストを抑えつつ運用を開始できる点も大きなメリットです。今や患者にとってLINEは“日常的なツール”であるため、導入後すぐに高い利用率が期待できます。
3.クリニックにおけるLINE活用のメリット
患者が使い慣れており、導入後すぐに利用されやすい
LINEは幅広い年齢層に利用されており、特にスマホユーザーであれば使用していない人の方が少ないほど普及しています。電話やメールに比べてLINEでのやりとりは心理的ハードルが低く、患者にとっても利便性が高いです。
予約や通知の自動化で業務効率アップ
予約受付やリマインド通知、キャンセル受付などの業務をLINEで自動化することで、スタッフの業務負担を大幅に軽減できます。とくに予約リマインドは、無断キャンセルの防止にも効果的です。
お知らせ配信で患者満足度・再来率向上
診療時間の変更、インフルエンザワクチンの入荷情報など、患者に知らせたい情報をLINEで一斉配信できます。開封率が高いため、確実に情報が届き、満足度向上につながります。
ターゲティング配信で効果的な集患が可能
LINE公式アカウントでは、属性や行動に応じたメッセージ配信が可能です。たとえば「30代女性向けの美容診療情報」や「高齢者向けの健康管理情報」など、的確なターゲティングによる集患施策が実現できます。
4.LINE活用と他SNSとの違い
InstagramやX(旧Twitter)、Facebookなど他のSNSと比較すると、LINEは“連絡ツール”としての側面が強いです。たとえばInstagramは視覚的コンテンツに優れ、認知向上やブランディングに適しています。一方で、LINEはプッシュ通知で確実にユーザーに情報を届けられる点が最大の特徴です。
Instagram:視覚で訴えるブランディングツール
Instagramは写真や動画といったビジュアルコンテンツに特化しており、クリニックの雰囲気や診療のビフォーアフター、内装、スタッフの人柄を視覚的に伝えるのに適しています。フォロワー拡大によりブランド認知が進む反面、情報発信の即時性や双方向性はLINEに比べると弱い傾向があります。
X(旧Twitter):リアルタイム性の高い情報発信
X(旧Twitter)はリアルタイム性が強く、イベント情報やキャンセル枠の告知など、即時性を求める情報発信に向いています。ただし投稿の流れが非常に速いため、情報がすぐに流れてしまうという課題があります。通知性や情報の定着率ではLINEが優位です。
Facebook:地域密着型の認知活動に活用
Facebookは比較的年齢層が高く、地域コミュニティとの親和性が高いSNSです。地域イベントや地域密着型の取り組みをアピールする場として有効ですが、若年層へのリーチにはやや不向きです。LINEとの併用により、年齢層を問わない接点づくりが可能になります。
LINE:患者との継続的な関係構築に最適
LINEは、他SNSと違って“つながったユーザー”への情報配信がメインとなるため、再診のリマインド、フォローアップ、重要な告知などに適しています。プッシュ通知機能により開封率も高く、確実に情報を届けられる点が最大の強みです。双方向のやりとりもスムーズで、業務効率にも直結します。
他SNSが「不特定多数への発信」であるのに対し、LINEは「すでに接点のあるユーザーへの情報配信」が基本であるため、リテンション施策やフォローアップに向いています。用途の棲み分けをし、LINEは再来院の促進や診療情報の共有など、実務に直結する活用が有効です。
5.LINEを活用したクリニック運営の具体的活用法
LINEで「すでに接点のあるユーザーへ情報配信」できることがわかりましたが、具体的にどのような活用方法をすればよいのか?を、ご紹介いたします。
【業務効率化】予約管理・自動応答・問診連携
LINEでの予約受付は、24時間対応が可能な点が患者に好評です。さらに、よくある質問に対しては自動応答機能を活用することで、受付スタッフの対応時間を短縮できます。外部システムと連携すれば、WEB問診とLINEを組み合わせたスマートな運用も可能です。
【患者満足度向上】リマインド通知・診療案内・混雑回避
診療日前日のリマインド通知や、検査案内の事前送信など、LINEによる個別連絡は患者満足度の向上に寄与します。また、混雑状況をLINEで通知することで、来院時の待ち時間を調整できるのも利点です。
【集患強化】属性別配信・クーポン・健康情報の定期発信
LINEは属性別のセグメント配信が可能であり、「新患向け初診キャンペーン」や「自費診療の割引情報」など、集患に直結するアプローチが行えます。健康情報の定期配信は、患者との接点維持に効果的です。
6.導入ステップ|LINE公式アカウントの開設から運用まで
それでは、LINE公式アカウント開設の流れについて、簡単にご紹介いたします。
- アカウント開設:LINE公式サイトからビジネスアカウントを申請し、基本情報やプロフィールを登録します。
- 機能設定:自動応答やリッチメニュー、応答時間などを設定。
- 友だち追加の促進:院内掲示やホームページ、QRコードなどを使い、LINE登録を促します。
- 運用体制の整備:スタッフへのルール周知やマニュアル整備を行い、情報発信体制を構築。
導入から基本運用までを無理なく進めるには、必要な作業をステップごとに整理することが重要です。
7.運用を成功に導く3つのコツ
LINEをうまく活用し、より良いクリニック運営につなげましょう。
配信タイミングと内容は「生活リズム」に合わせる
メッセージ配信の時間帯は、患者の生活リズムに合わせることがポイントです。出勤前や昼休み、夕食後など、通知が届きやすく開封されやすい時間帯に配信しましょう。
成功事例
東京都内の内科クリニックでは、朝8時台と夜20時台の2回に分けて配信を実施したところ、開封率が40%から65%に向上。時間帯の工夫だけで、患者の反応率が大幅に改善しました。
メッセージの開封率と効果測定の重要性
LINE公式アカウントでは、メッセージの開封率や反応率を分析する機能が備わっています。これを活用して、配信内容やタイミングをPDCAで改善していくことが成功の鍵です。
成功事例
大阪府の皮膚科クリニックでは、初回はキャンペーン告知を一斉配信したが反応が芳しくなかったため、セグメント配信に切り替え。「自費診療を過去に受けた患者のみ」に対象を絞って再配信したところ、予約件数が2倍に増加しました。
運用担当者の役割とPDCA
LINE運用は担当者を明確にし、配信計画を立てて継続することが重要です。週次や月次でデータを確認し、反応のよかった施策を横展開するなど、継続的な改善が必要となります。
成功事例
千葉県の小児科クリニックでは、受付スタッフ1名をLINE運用の専任とし、「週1回の定期配信」「月末にレポート提出」という運用ルールを整備。結果として、情報の発信ミスや配信漏れがなくなり、リマインド通知によるキャンセル率も15%減少しました。
このように、具体的なデータを活用し、改善サイクルを実践することで、LINE運用はより大きな成果を生むことができます。
8.LINEと連携できるクリニック向け予約システム
LINE連携可能な予約システムを導入することで、より一体感のある運用が可能になります。LINE上で予約受付を完結できる仕組みは、患者にとっての利便性が高く、クリニックの業務負担も軽減されます。
導入時には、連携システムの機能範囲やサポート体制を確認することが大切です。
9.LINE活用における注意点と法的配慮
LINEをクリニック運営に活用する際は、利便性や集患効果が高い反面、いくつかの注意点や法的配慮が必要です。
医療広告ガイドラインとの整合性
まず最も重要なのは、医療広告ガイドラインとの整合性です。ガイドラインでは、医療機関が発信できる情報の範囲や表現方法が明確に規定されており、「治療効果の保証」「過度な煽り文句」「誤解を招く表現」は禁止されています。たとえば「必ず治ります」「地域No.1」「完治率100%」などの表現はNGです。LINEメッセージやリッチメニュー内の文言にもこれらを遵守する必要があります。
配信頻度と情報
次に留意すべきは、配信頻度と情報のバランスです。便利なツールである一方で、頻繁なメッセージ配信はユーザーのストレスやブロック率上昇につながるリスクもあります。週1~2回程度を目安に、情報の内容・重複を避け、ユーザーにとって有益と感じられる情報を選定しましょう。
個人情報の取り扱い
また、個人情報の取り扱いにも十分な注意が必要です。LINEは比較的カジュアルなツールであるため、個別の診療内容や病名、検査結果などを配信する場合は情報漏えいや誤送信のリスクが生じます。可能であれば、LINE上では予約・リマインド・一般的な健康情報までに留め、個別の診療相談は電話や来院で対応する旨を明記しておくことが望ましいです。
成功事例から学ぶ
成功事例においても、法的配慮は徹底されていました。たとえば、あるクリニックでは、情報配信前に法律に詳しい外部コンサルタントにチェックを依頼し、リッチメニューやメッセージ文面を一つずつガイドラインに照らして見直す運用体制を整備していました。結果として、トラブルなく高開封率と再来院率の向上を両立しています。
法的配慮と運用ポリシーを整えることは、LINE活用の成功に欠かせない前提条件です。“便利さ”の裏にある”責任”を常に意識し、安全で持続的な運用を心がけましょう。
10.まとめ LINE活用で未来型クリニック経営へ
LINE公式アカウントを活用することで、クリニックは「業務の効率化」「集患力の強化」「患者満足度の向上」という三つの大きな成果を得られます。
他SNSとの役割分担を意識しながら、LINEという日常ツールをうまく取り入れることが、現代のクリニック運営には欠かせません。
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