
皮膚科の集患に効果的?クリニックでYouTubeを始めよう
1.はじめに なぜ今、皮膚科にYouTube活用が求められるのか
これまで医療業界では、診療情報や医院紹介はホームページや紙媒体が中心でした。しかし近年、患者の情報収集手段は大きく変化し、SNSや動画メディアがその中心に移りつつあります。中でもYouTubeは、視覚的にわかりやすい情報を提供できることから、皮膚科などの“見える診療科”にとって極めて有効な集患ツールとして注目されています。
皮膚科はニキビや湿疹、アトピー性皮膚炎、乾燥肌、美容医療など、患者が日常的に関心を寄せやすいトピックが多く、動画での情報提供と相性が良い領域です。「どんな治療をするのか」「どんな先生がいるのか」「施術は痛くないのか」といった不安を、動画で視覚的に説明することで、来院のハードルを下げる効果が期待できます。
さらにYouTubeは、検索性が高く、1つの動画が長期間視聴される“資産型コンテンツ”として機能します。これは広告に頼らずとも長期的に集患が見込める強力な仕組みです。
この記事では、なぜYouTubeが有効なのか、どのような動画が効果的か、運用時の注意点や成功事例までを具体的に解説します。
2.YouTubeが皮膚科の集患に効果的な理由

動画による「見える説明」が患者の不安を解消
皮膚科に来院する患者の多くは、肌のトラブルという“目に見える症状”に悩んでいます。そのため、説明も「見て理解できる」形式で提供されると、納得度が高まります。
YouTube動画を通じて「診察の流れ」「治療の様子」「施術前後の変化」などを見せることで、患者は安心して来院できるようになります。とくに美容皮膚科分野では、院内の雰囲気や施術室の清潔感、スタッフの対応の丁寧さなども含めた“体験イメージ”を伝えることで、信頼と来院意欲が大きく高まります。
専門性の可視化で信頼性アップ
「ニキビ治療の最新情報」や「シミ・しわ対策の効果的な方法」など、医師の専門的な知見をわかりやすく伝えることで、視聴者からの信頼を獲得できます。文章では伝わりづらいトーンや熱意、専門性が、話し方や表情といった非言語情報として動画から自然に伝わる点がYouTubeの強みです。
医師の顔が見え、声が聞こえるコンテンツは「信頼できそう」「話しやすそう」といった感情を引き出し、初診の心理的ハードルを下げる効果があります。
繰り返し視聴される“資産型コンテンツ”になる
YouTubeは一度投稿した動画が、検索や関連動画から繰り返し再生され、何年にもわたって集患に貢献する“資産型”のコンテンツです。たとえば「ニキビができた時の対処法」「夏場のスキンケア」など、季節や悩みに応じたテーマは毎年繰り返し検索されるため、長期的な集患チャネルとして非常に効果的です。
Google検索でもYouTube動画が上位に表示されることが多く、SEOとの相乗効果も見込めます。
3.皮膚科クリニックが発信すべき動画コンテンツ例10選
皮膚科の診療内容は幅広く、患者の関心も多岐にわたるため、テーマ設定の自由度が高いのが特徴です。以下に、YouTubeに適した動画コンテンツの例を10個ご紹介します。
1. ニキビや湿疹など症状別の解説動画
代表的な肌トラブルの症状・原因・治療法をわかりやすく説明。医師の視点で語ることで信頼度が増します。
2. スキンケアの正しい方法
洗顔、保湿、紫外線対策など、日常生活で役立つ内容を動画で提供。広くシェアされやすいテーマです。
3. 市販薬と医療薬の違い
「ドラッグストアの薬と病院の薬、何が違うの?」という疑問に医師が解説する動画は、高い再生数が期待できます。
4. 美容皮膚科メニューの紹介(施術風景含む)
ピーリング、レーザー治療、シミ取りなど、美容医療を検討している人向けに、施術の流れや注意点を実演付きで紹介。
5. 患者からのよくある質問への回答
「ニキビを触っていい?」「ステロイドは怖い薬?」など、実際に寄せられた質問に回答する形で動画化するシリーズも有効です。
6. 医師の一日・クリニックの日常Vlog
親近感を生む動画として、医師やスタッフの働く様子や1日の流れを紹介。緊張感を和らげる効果があります。
7. 季節ごとの肌トラブル対策
春の花粉症肌、夏の紫外線、冬の乾燥など、時期に応じたスキンケア情報は継続的な視聴が見込めます。
8. 診療方針や初診の流れの案内
「初めての方へ」というテーマで、予約から診察までの流れを丁寧に紹介すると、初診の心理的ハードルが下がります。
9. 院内設備・衛生対策の紹介
感染症対策や器具の使い捨て、衛生管理の徹底ぶりを可視化することで、信頼と安心感を与えることができます。
10. スタッフ紹介・インタビュー
医師だけでなく、看護師や受付スタッフの紹介も含めた動画は、アットホームな雰囲気の演出に有効です。
これらの動画を定期的に投稿することで、YouTubeチャンネル自体が“信頼できる皮膚科情報メディア”として機能し、集患の強力な資産となります。
4.YouTube運用で差がつくポイント
ターゲット設定とチャンネル設計
YouTubeチャンネルを成功させる第一歩は「誰に何を伝えるか」を明確にすることです。ニキビに悩む10〜20代の若年層、シミやしわの予防を考える30〜50代女性、アトピーに悩む親子世代など、ターゲットごとに適した動画テーマ、トーン、見せ方を設計しましょう。
また、チャンネル自体のブランディングも重要です。ロゴ、アイコン、トップ画像、再生リストの整理など、視覚的にも整ったチャンネルは信頼感につながります。
サムネイル・タイトルの工夫でクリック率UP
どれだけ内容が良くても、クリックされなければ視聴にはつながりません。サムネイル画像と動画タイトルは、視聴の“入口”として極めて重要な要素です。
サムネイルには「表情」「注目ワード」「ビフォーアフター風のイメージ」などを取り入れると効果的です。タイトルも「【医師が解説】ニキビの間違った治療法3選」など、具体性と信頼性が伝わる工夫を施しましょう。
動画構成と台本作成の基本
医療動画においては、「見やすさ」「わかりやすさ」「信頼性」が重要です。動画は5〜8分程度が理想で、最初の15秒で“誰向けの動画か”“見るとどうなるか”を伝える構成にすることで離脱を防げます。
事前に台本を準備しておくことで話が脱線せず、編集工数も減ります。「導入→本題→まとめ→CTA(行動喚起)」の構成を基本に据えると、視聴者の理解度と満足度が上がります。
撮影・編集の外注と自院内製の判断軸
YouTubeの運用には、撮影・照明・編集などのスキルが必要です。院内に人的リソースや時間が確保できない場合は、外部業者への委託も検討しましょう。
一方で、スマホと無料編集ソフトを活用すれば、低予算で自院内製の運用も可能です。重要なのは「完璧な映像」よりも、「継続して患者に寄り添う動画を出し続ける姿勢」です。
5.YouTube×SNS連携で最大効果を出す方法
Instagram・LINE・Xとのシェア導線を活用
YouTubeは単体でも集患効果がありますが、他のSNSと連携させることでその効果を最大化できます。たとえば、Instagramで動画の一部を抜粋して紹介し、本編はYouTubeに誘導する「クロスプロモーション」が有効です。
また、X(旧Twitter)では「新着動画のお知らせ」として投稿を拡散し、LINE公式アカウントでは動画リンクを患者に直接送信して「再来院のきっかけ」に活用するなど、各SNSの特性に応じた使い分けが鍵になります。
YouTube動画をLINEで患者に直接届ける仕組み
LINE公式アカウントに登録している患者に対し、定期的にYouTube動画を案内するメッセージを送ることで、動画の視聴→信頼→来院という導線が成立します。とくに「○○対策3選」など役立つ内容は、高確率で開封・視聴されます。
また、院内掲示や診察室内でQRコードを提示し、動画視聴を促す導線を整えることで、来院時以外にもクリニックの情報提供が可能になります。
Webサイトや予約システムとの連携強化
YouTube動画を自院ホームページ内に埋め込むことで、訪問者に視覚的な安心感を与えると同時に、SEO効果も期待できます。また、動画下の説明欄に予約サイトやLINE登録ページへのリンクを掲載することで、動画→予約の流れを自然に形成できます。
6.医療広告ガイドラインとYouTube動画の注意点
NGとなる表現・演出の具体例
YouTubeは自由度が高いメディアですが、医療機関が運用する場合は「医療広告ガイドライン」に基づいた表現が必須です。
たとえば、「○○を使えば絶対に治る!」「劇的ビフォーアフター映像」などは広告規制に抵触する恐れがあります。過度な期待を抱かせる演出や保証的な表現、比較優良表現などは避けましょう。
患者の体験談・施術映像の取り扱い
患者インタビュー動画や施術シーンを掲載する場合は、事前に必ず書面での同意を得る必要があります。顔出しや実名公開を伴う場合は、本人の意向を尊重し、リスクの説明を行った上で撮影・公開します。
また、未成年者の事例紹介などは特に慎重に対応すべき領域であり、モザイク処理や音声加工を施すといった配慮も有効です。
動画公開前の確認フローと同意取得
動画を公開する前には、必ず「表現チェックシート」や「ガイドライン項目リスト」に基づいた確認フローを設けましょう。医療法に抵触しないことを確認するだけでなく、院内の複数人によるレビュー体制を構築しておくことで、リスクを未然に防ぐことができます。
外部制作業者に依頼する場合も、ガイドラインに精通しているかを必ず確認し、最終的な責任は医療機関側が負う意識を持ちましょう。
7.皮膚科YouTube成功事例に学ぶ運用ポイント
専門性と人柄が伝わることで問合せ率アップ
ある都市部の皮膚科クリニックでは、「ニキビのセルフケア」や「マスク肌荒れ対策」など、悩みに寄り添った動画を定期的に発信。医師自身が登場し、やさしい口調で丁寧に説明するスタイルが好評を得て、1年でチャンネル登録者数1万人を突破。動画経由での問合せ数が大幅に増加しました。
視聴者の多くが「先生の人柄に惹かれて来院した」と回答しており、動画が“接点”となって来院動機に直結していることが分かります。
特定動画がバズ→美容診療への集患効果大
別の皮膚科では、レーザー施術のビフォーアフター動画がSNS上でバズり、1週間で再生回数20万回を記録。普段は来院しにくいとされる美容診療のハードルが動画で一気に下がり、美容施術の予約数が倍増しました。
このように、施術内容や症例を視覚的に伝えることは、「結果のイメージができる=申し込みやすい」という心理に直結します。もちろん、誇張表現や演出に注意し、ガイドラインを順守することが大前提です。
動画コンテンツが「営業しなくても患者が来る」資産に
月に2〜3本の投稿を1年以上続けている地方皮膚科では、患者が来院時に「YouTubeで見ました」と言う割合が全体の2〜3割に達しています。広告費を抑えながらも、動画という“見られる営業ツール”が院の代わりに働いてくれている状態です。
動画は時間が経っても繰り返し見られるため、最初の投稿が後々の集患に長く貢献する“資産”になります。
8.YouTubeを活用したいときの外部支援の選び方
動画制作会社と医療専門支援会社の違い
動画制作会社は映像のクオリティや演出力に優れている一方で、医療広告ガイドラインへの理解が乏しいケースもあります。内容チェックや同意取得の対応を医院側で行う必要がある点には注意が必要です。
一方、医療機関向けに特化した支援会社は、法律遵守のサポートから企画、台本、撮影、編集、運用後の分析まで一貫して行える場合もあり、安心感があります。
YouTube運用に強いパートナー選びのポイント
- 医療動画の制作実績があるか
- 医療広告ガイドラインに精通しているか
- 専門スタッフによる企画や台本制作が含まれているか
- 運用や配信後のフォロー体制があるか
こうしたポイントを確認した上で、単なる制作代行ではなく「成果につながる運用支援」が可能なパートナーを選びましょう。
9.まとめ YouTubeは皮膚科の集患を変える新戦略
皮膚科におけるYouTube活用は、単なる情報発信ではなく、「見える診療」だからこそ強みになる戦略です。
動画という手段を通じて患者の不安を解消し、信頼を獲得し、集患につなげる。この一連の流れをうまく設計できれば、広告に頼らずとも安定した来院が実現できます。
YouTubeは今後、集患の“当たり前”になる可能性を秘めています。少しでも興味がある方は、まずは1本、動画を作ってみることから始めましょう。
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