成功確率を最大化するクリニック開業

コラム

Column

クリニックでも必須?SNS運用

SNSの求人広告で採用につなげよう|クリニックのSNS運用

 

はじめに|“採用難”時代に、SNSは突破口になるか?

「なかなか応募が集まらない」「求める人材が来ない」──クリニックの採用活動において、このような悩みを抱える院長・事務長の声は後を絶ちません。とくに医療事務や看護師の求人は競争が激しく、ハローワークや一般的な求人媒体では十分な反応を得られないケースも少なくありません。

こうした状況のなか、新たな突破口として注目されているのが「SNSを活用した採用活動」です。従来の“待ち”の求人から、“見つけてもらい”“共感してもらい”“応募につなげる”スタイルへのシフトが、今まさに求められています。

本記事では、SNSを使って採用につなげる具体的な方法から、実際の成功・失敗事例、注意点や院内での運用体制構築までを詳しく解説していきます。開業医・医療法人の採用担当者にとって、実践的なガイドとなるはずです。

1.SNSが変える採用戦略|クリニックの新常識

SNSが変える採用戦略|クリニックの新常識

SNSといえば「集患」や「ブランディング」の印象が強いかもしれませんが、実は“採用力”の強化にも非常に有効です。

SNS採用の特長と変化

近年は転職希望者・求職者の情報収集手段が大きく変化し、Indeedや求人検索サイトだけでなく、InstagramやX(旧Twitter)、TikTokなどを通じて「働きたい職場を探す」動きが加速しています。

SNSは、応募者に次のような「リアルな判断材料」を提供します。

  • 院長やスタッフの人柄
  • 院内の雰囲気・設備・清潔感
  • 働くスタッフの表情や職場の空気感
  • 実際の業務風景や1日のスケジュール

求人票だけでは伝わらない「職場の空気感」がダイレクトに伝わるため、ミスマッチを防ぎ、共感による応募が増えるというメリットがあります。

SNSは“採用広報”のツールへ

従来型の求人媒体は、「出稿して待つ」スタイルでしたが、SNSでは「日常の中で存在を知ってもらう」ことができます。日々の発信が求人に直結するわけではなくとも、「こんなクリニックで働いてみたい」という好感を育てておくことが、採用の地盤を築くのです。

 

2.採用に強いSNSとは?媒体ごとの特徴

Instagram|ビジュアル訴求で“雰囲気重視”の層に届く

  • メリット: 院内の雰囲気やスタッフの表情、日常風景を視覚的に伝えられる
  • ターゲット:20~40代女性(医療事務・看護師)との親和性が高い
  • 活用例:  1日密着投稿、スタッフ紹介リール、採用ストーリーズ

LINE公式アカウント|採用では“情報提供の補完”に有効

  • メリット: 求人応募者への自動応答、面接日時連絡、採用説明資料の送信
  • ターゲット:既存患者やフォロワー層の中に潜在的応募者がいるケースも

TikTok|拡散性と“楽しさ”で注目を集める

  • メリット: 短尺動画による親近感、若年層への浸透力
  • ターゲット:20代~30代の看護師・受付スタッフなど
  • 活用例:  職員による「あるある」動画、業務の舞台裏紹介

X(旧Twitter)|思想・姿勢に共感するファンをつくる

  • メリット: 院長やクリニックの考え方を日常的に発信できる
  • ターゲット:医療系転職希望者、感度の高いユーザー
  • 活用例:  採用に対する想い、働き方・育成方針の発信

媒体ごとの特徴を理解した上で、自院のターゲットと重なるプラットフォームに力を入れるのが成功のカギとなります。

 

3.SNS求人の成功事例と失敗例

成功事例①:Instagramで「職場の雰囲気」を発信→応募10件増

ある美容皮膚科では、採用用Instagramアカウントを開設し、週2回のペースで院内の様子やスタッフの笑顔を投稿。求人募集のハイライトを設置したところ、約1ヶ月で10件以上の応募が集まり、理想に近いスタッフを採用できた。

成功事例②:TikTokで「あるある」動画がバズ→受付応募殺到

内科クリニックの事務スタッフが投稿した「患者あるある」動画が10万再生を突破。明るい職場の印象が広がり、公式HPの求人ページへのアクセスが通常の5倍に。

失敗事例:更新が止まって“採用に消極的な印象”を与えた

SNS運用を始めたものの、投稿が1ヶ月以上止まってしまい、応募者から「もう募集していないのかと思った」との声が。継続的な発信体制が整っていないことが、採用機会の損失につながった。

成功の鍵は、発信の継続性とコンセプトの一貫性にあります。

 

4.医療事務・看護師採用におけるSNS活用の具体例

医療事務採用:信頼感と柔軟な働き方をアピール

医療事務は業務の幅が広く、患者対応やレセプト業務、電話応対など多様なスキルが求められます。そのため、採用活動においては「働くイメージ」が湧く投稿が鍵となります。

例えば、以下のようなコンテンツが効果的です。

  • スタッフの一日密着投稿(例:「8:30 出勤 → 12:00 受付対応 → 17:00 業務終了」)
  • 子育てと両立しているスタッフの声や時短勤務の紹介
  • 院内の福利厚生や休憩スペースの様子
  • 受付まわりの丁寧な患者対応の様子を伝える写真や動画

優しさ」「安心感」「職場環境の柔軟さ」を感じられる投稿により、主婦層や家庭との両立を考える層に響く採用ブランディングが可能になります。

看護師採用:キャリア支援・技術習得の場として訴求

看護師は、専門性と責任が求められる職種であると同時に、「成長意欲」や「働きがい」を重視する傾向が強いです。

SNSでは以下のようなアプローチが有効です。

  • 勉強会やスキル研修の様子を紹介する動画やレポート
  • 院長や先輩看護師からのメッセージ投稿(例:「一緒に成長できる仲間を歓迎します」)
  • 「患者様の笑顔にやりがいを感じた瞬間」など感動エピソードのシェア
  • 福利厚生制度やキャリアアップ支援制度の紹介

また、夜勤の有無シフトの柔軟性急な休みに対応できる体制なども、SNSで伝えておくことで不安を払拭し、応募へのハードルを下げられます。

いずれの職種でも、文字情報に加え“表情”や“空気感”が伝わる画像・動画を活用することで、求職者に「ここで働きたい」と感じてもらえる発信が可能になります。

 

5.SNS広告(求人投稿)で応募数を伸ばすコツ

SNS広告(求人投稿)で応募数を伸ばすコツ

広告は“共感型クリエイティブ”で設計する

SNS広告では、「共感」を軸にした投稿が応募につながりやすくなります。単なる募集要項の羅列ではなく、働く喜びや日常の一コマを切り取ったストーリー性のある内容が効果的です。

広告対象の絞り込みが重要

Facebook広告やInstagram広告では、地域・年齢・性別・職種などでターゲットを絞ることができます。自院の採用ニーズにマッチした層へ、無駄なくアプローチできる点が魅力です。

CTA(行動喚起)の工夫で応募率アップ

今すぐ応募」「院内見学だけでも歓迎」「1分で応募完了」といった明確なアクション指示を入れることで、エントリー率が上がります。求人用LPと連携させると効果が高まります。

 

6.採用SNS運用を成功に導くチーム体制とは?

院内に“運用責任者”を立てる

院長・事務長が全てのSNS運用を兼任するのは現実的ではありません。SNS担当(広報係)を設け、更新の責任者・チェック体制を明確にすることで、継続性と質が保たれます。

投稿ルール・トーン&マナーの統一

「誤った表現によるトラブル」や「患者情報の誤掲載」などを防ぐために、投稿マニュアルを整備し、スタッフ間でトーンを統一することも重要です。特に医療広告ガイドラインの遵守は必須となります。

外注も視野に入れる

「リソースが足りない」「ノウハウがない」といった場合は、SNS運用を専門業者に委託するのも有効です。

 

 

7.法的注意点とガイドラインを遵守する

SNSで採用活動を行う際には、厚生労働省や各医療系団体のガイドラインに準拠する必要があります。とくに次のような点に注意しましょう。

個人情報の取り扱い

候補者やスタッフの顔が映った写真・動画を使用する場合は、必ず本人の許諾を得てください。無断掲載はプライバシー侵害に該当します。

誇大表現や誤認表示の禁止

採用ページやSNSにおいて「高収入保証」や「自由な働き方」などの表現を用いる際は、具体的な根拠と条件を明示しましょう。誤解を招く記述はトラブルのもとです。

医療広告ガイドラインとの整合性

クリニックのSNSアカウントは、求人目的であっても医療広告と見なされる可能性があります。「効果・効能の強調」「限定感のある表現」は医療広告ガイドライン違反となる場合がありますので慎重に。

労働条件の明示

採用目的の投稿には、給与・雇用形態・勤務時間などの労働条件を明記することが望ましいです。不明確なままの応募はトラブルに発展しやすいため、投稿から公式求人ページへのリンクを設けると安心です。

法的リスクを未然に防ぎ、信頼性の高い情報発信を心がけましょう。

 

8.SNSで“選ばれる職場”になるために伝えるべきこと

SNSで“選ばれる職場”になるために伝えるべきこと

求職者が重視するのは「どんな職場か」「人間関係はどうか」「どんな価値観の院長か」といった、求人票では伝えきれない“雰囲気”です。SNSはそれを補完できる最強のツールです。

院長のメッセージを発信する

院長の想いや方針をSNSで直接発信することで、「共感」を呼びやすくなります。「患者さんにどう向き合いたいか」「スタッフにはどう接しているか」など、日々の言葉が信頼を生みます。

働くスタッフの“リアル”を届ける

実際に働いているスタッフの紹介や1日の流れを投稿することで、応募者は自分が働く姿を想像しやすくなります。

応募後の流れや面接の雰囲気も伝える

応募~面接~採用後のフォローまで、フローを分かりやすく投稿すれば、「安心感」を与えることができます。

SNSでは、“飾らない日常”こそが最大のアピールポイント。魅力ある投稿は、自然と良い人材を引き寄せてくれるでしょう。

 

9.まとめ|SNS採用は“クリニックの個性”で勝負する時代

SNSを活用した採用活動は、コストをかけずにクリニックの魅力を広く伝えることができ、採用の新しいスタンダードになりつつあります。

一方で、発信内容や頻度、ターゲット設定などを誤ると、期待する効果が得られないこともあるため、戦略的な運用が求められます。

クリニックの理念・雰囲気・人柄といった“空気感”をSNSで正しく伝えることで、共感を得た求職者と出会うチャンスが生まれます。

 

無料相談のご案内|クリニック開業をトータルサポート

メディシーでは、物件探しから開業後のフォローまでを一貫して支援する「ワンストップ型」のクリニック開業支援を提供しています。

これまで多数のクリニック開業を支援してきた実績をもとに、個別状況に応じた最適なアドバイスを行っています。初期構想から開業後の運営まで、すべてのフェーズで伴走支援が可能です。

「どこに相談すればいいか分からない」「本業が忙しくて準備が進まない」「立地選定に自信がない」「機器の選び方がわからない」「資金計画が不安」…
そんな方は、まずは無料相談から始めてみてください。 

一人で悩まないことも重要です。信頼できるパートナーとともに計画を立てることで、開業成功率は格段に高まります。 

診療圏調査と立地選定

開業地の選定は、将来にわたって患者数を左右する重要なポイントです。 将来的な集患を見据えたエリア調査を実施し、競合状況や人口動態を分析。最適な立地選びをサポートします。

資金調達・事業計画支援

収支シミュレーションを含む事業計画の策定から、銀行融資や助成金の相談対応まで、安心してスタートできる体制を整えます。

建築相談

クリニックの理念やコンセプトに基づいた、内装プラン・レイアウトの提案ができる、医療機関を中心に手掛けている業者をご紹介いたします。
専門業者であるので、患者様やスタッフの導線を考えたレイアウトになり、居心地のよい・仕事の効率のよい理想のクリニックができあがります。

広告

医療機関の広告は、医療法などの規制を受けており、内容についても保健所などから指導があります。しかし、クリニックの存在を地域の方々に認知していただかないと、
集患に繋がらないので、開業時の広告は必須です。
広告宣伝の方法もパンフレット・チラシ・駅看板や電柱広告など多岐に渡りますが、その中でもホームページは、医院側から情報発信できる有効な広告媒体なので、ホームページの開設はおすすめしております。

各種手続き・スタッフ採用・開業後のサポートも万全

保健所や医師会への開設申請、就業規則や社会保険手続き、スタッフ採用の支援に加え、開業後の増患対策や運営改善まで丁寧にフォローします。

無料相談のお申し込みはこちら 

あなたのビジョンと熱意を、現実の成功へと変えるために。
未来の理想的なクリニックづくりを、メディシーが全力でサポートいたします。