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クリニックに自動精算機の導入は必要?メリットを解説

 

近年、医療機関を取り巻く業務の効率化や感染症対策の一環として、「自動精算機(セルフレジ)」の導入を検討するクリニックが増えています。スーパーや飲食店などで一般的となった非対面決済は、医療現場でも利便性や衛生面への配慮から関心が高まっており、実際に自動精算機を導入している診療所も見られます。

しかし、導入には費用もかかり、「本当に自動精算機が必要なのか」「導入によってどのような変化があるのか」と疑問を持つ開業医や事務長の方も少なくありません。

この記事では、クリニックにおける自動精算機の導入メリットや、セルフレジの種類、導入時の注意点について詳しく解説します。

 

1.クリニックで自動精算機の導入が注目される背景

クリニックで自動精算機の導入が注目される背景

自動精算機の需要が高まる要因とは

医療機関において自動精算機が注目されている背景には、以下のような社会的・業務的なニーズがあります。

感染症対策

新型コロナウイルス感染症の拡大以降、受付・会計の非接触対応の必要性が強まりました。金銭授受の回避、スタッフとの対面機会の減少を目指して自動精算機の需要が高まっています。

人手不足と業務効率化

受付業務の負担軽減は多くの医療機関にとって重要な課題です。特に診療時間帯に集中する会計業務は業務負荷が大きく、自動化することでスタッフのリソースを他業務に振り分けることが可能になります。

患者の利便性向上

混雑時でもスムーズに会計を済ませられるセルフレジは、患者満足度の向上につながる手段として注目されています。とくに再診患者など慣れている層にとっては、操作も簡便でストレス軽減にもなります。

厚生労働省のDX推進

厚生労働省も、人手不足への対策や業務効率化の観点などからDX化を推進しています。デジタルで業務を効率化することにより「ゆとりや余力」を確保でき、そこから新しい価値提供の可能性が生まれてくるかもしれません。

 

2.自動精算機の基本機能とクリニック向けの種類

自動精算機とは何か

自動精算機(セルフレジ)は、患者が自ら診療費を精算することができる機械で、現金、クレジットカード、交通系ICカード、QRコード決済などに対応するタイプも存在します。医療機関向けに特化した機種では、電子カルテ・レセプトコンピュータと連携し、診療後に発生した医療費の自動計算と支払いを可能にしています。

クリニックに導入される主な種類

クリニックで導入される自動精算機は、大きく以下のようなタイプに分類されます。

現金対応型

患者は現金で精算可能。釣銭機能付き。

キャッシュレス専用型

クレジットカード、QRコード、電子マネーなどでの支払いに特化し、現金を扱わないタイプ。会計スピードが速く、非接触性が高い。

これらの製品の導入は、メーカーの提供する公式製品ページで確認でき、医療機関の規模やニーズに応じたカスタマイズが可能な場合もあります。

 

3.クリニックに自動精算機を導入するメリット

スタッフ業務の負担軽減

自動精算機は、会計処理の自動化により受付スタッフの作業時間を大幅に削減します。特に月初・月末や繁忙時間帯には、人的な処理ではミスや待ち時間が発生しやすく、自動化によりそのリスクを抑えることが可能です。

患者の待ち時間短縮と満足度向上

会計待ちの時間が短くなることで、患者の利便性が大きく向上します。特に高齢者や時間の制約があるビジネスパーソン層からは、「スムーズに支払いできる」と好意的に受け入れられています。

感染症対策・衛生面の改善

非接触で会計が完了する点は、感染症対策の観点からも有効です。対面接触の頻度を減らし、職員や患者の感染リスクを抑える環境整備に貢献します。

会計ミスや釣銭間違いの防止

人的ミスによる金額違い、釣銭の過不足といったリスクが軽減され、クリニックの信用維持にもつながります。レセコンと連携した機種を使用すれば、請求ミスのリスクもさらに低減可能です。

 

4.導入にあたっての注意点と課題

機械操作に不慣れな患者への対応

自動精算機は利便性の高いシステムですが、すべての患者にとって操作が直感的とは限りません。特に高齢者や初診の患者には、案内やサポートが必要になる場合があります。音声案内付きの端末や大きな画面を搭載した機種を選定する、もしくは案内スタッフを配置するなどの工夫が求められます。

設置スペースと動線設計の課題

多くのクリニックは受付周辺のスペースが限られているため、自動精算機の設置には動線設計が不可欠です。会計前後の混雑を回避するためには、受付から精算までの流れをシンプルにし、患者の移動をスムーズにする配置が重要です。また、車椅子利用者などへの配慮も必要です。

システムトラブルへの備え

万一、自動精算機に不具合が発生した場合、対応できる体制がないと会計業務が停止するリスクがあります。定期的なメンテナンス契約や、機器提供企業のサポート体制(故障時の対応時間など)を事前に確認しておくことが重要です。

導入後の業務フロー変更とスタッフ教育

受付業務の流れが変わるため、スタッフの業務手順の見直しや新しいオペレーションの定着が必要です。レセプトコンピュータや電子カルテとの連携設定など、システム面の理解と操作訓練も欠かせません。

 

5.クリニックにおすすめされる自動精算機の選び方

医療向けに設計された製品かを確認する

自動精算機には、飲食店や商業施設向けに設計されたものもありますが、クリニックで使用する場合は、医療会計に対応した専用機を選ぶ必要があります。保険診療の会計処理、再診料や処方箋発行料など医療特有の計算に対応していることが必須条件です。

製品によっては、レセコン(レセプトコンピュータ)や電子カルテとの連携機能ができます。受付表などのバーコードから請求金額の自動反映ができる他、患者の受付番号表示なども可能です。

支払い方法の対応範囲を確認する

現金・クレジットカード・電子マネー・QRコードなど、支払い手段の多様化が進む中で、患者ニーズに合った支払い手段を選べるかは重要な選定ポイントです。特に若年層やビジネスパーソンの患者数が多いクリニックでは、キャッシュレス対応の有無が利便性に直結します。

患者数・混雑状況に応じた台数の判断

患者の来院数が多いクリニックでは、ピーク時に1台の精算機だけでは対応しきれない場合があります。1日あたりの平均来院数、曜日ごとの来院傾向をもとに、複数台導入も視野に入れて検討すると良いでしょう。

アフターサポート・保守契約の内容を精査する

自動精算機の運用には、万が一の故障時対応やソフトウェア更新が伴います。製品ごとに用意されている保守契約(メンテナンス、サポート受付時間など)を事前に確認し、導入後の安定運用につながる体制が整っているかを見極めることが大切です。

 

6.導入費用とランニングコストの考え方

導入費用とランニングコストの考え方

初期費用の目安

自動精算機の価格は、仕様や支払い方法の種類によって大きく異なりますが、医療機関向けの製品では、1台あたり200万円前後は見ておくとよいでしょう。加えて、レセコンとの連携機能を含む場合や、タッチパネルの大型化・多言語対応機能などを追加すると、価格がさらに上がる傾向があります。

設置工事費やシステム設定費も含めると、導入時の総額は数十万円単位で変動します。必ず見積を取り、初期費用と対応範囲を比較検討しましょう。

月額保守費用やリース料

機器の保守契約費やソフトウェア更新費用は、月額数千円〜数万円程度が相場です。また、一部の製品はリース契約も可能で、リース料として月額1〜3万円台で提供されるケースもあります(契約年数・台数により異なります)。

購入とリースのどちらが最適かは、資金繰りや減価償却の方針に応じて判断する必要があります。

補助金制度の活用

設備投資にあたっては、地域によっては中小企業向けの設備投資支援や、補助金制度などが適用できる場合があります。ただし、対象要件や申請期間が限定されていることもあるため、導入前に各自治体や制度の最新情報を確認することが求められます。

 

7.自動精算機の導入に向いているクリニックの特徴

患者数が多いクリニック

1日に一定数以上の来院があるクリニックでは、受付や会計業務が混雑しやすくなります。とくに午前中や夕方の診療終了直前など、会計が集中する時間帯では、精算処理が業務のボトルネックとなることも。こうした場合、自動精算機の導入によってスタッフの業務が分散され、業務全体の効率化につながります。

繰り返し通院の多い診療科

内科や整形外科、皮膚科など、再診患者の割合が多い診療科では、患者側もクリニックの流れに慣れており、自動精算機の利用がスムーズに定着しやすい傾向があります。また、定期的に同額の支払いが続くケースでは、患者の操作負担も少なく、導入効果がより実感されやすくなります。

キャッシュレスニーズが高い立地や患者層

都市部のビジネス街や駅前のクリニックでは、クレジットカードやスマホ決済を求める患者が多い傾向があります。現金を持たない患者層への対応として、キャッシュレス決済対応型の自動精算機を導入することで、患者満足度の向上にもつながります。

スタッフ数が限られる少人数体制のクリニック

限られたスタッフで運営しているクリニックでは、会計業務が受付スタッフの大きな負担になりがちです。自動精算機を活用すれば、人的リソースをより本質的な業務(受付応対、電子カルテ入力補助、より丁寧な接客など)に振り分けることができ、運営の安定化に寄与します。

 

8.メディシーによる開業支援サービスのご案内

メディシーによる開業支援サービスのご案内

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ご不明点や不安な点がありましたら
お気軽にメールフォームよりご相談ください。

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9.まとめ|自動精算機の導入は業務改善への一歩

自動精算機は、受付業務の効率化や感染症対策、患者の利便性向上など、クリニックにとって多くのメリットをもたらします。一方で、導入にはコストや設置スペース、患者対応などの課題もあるため、自院の状況に合わせた慎重な検討が欠かせません。

患者数や診療科の特性、スタッフ体制、会計フローの現状などを整理し、必要に応じて専門の開業支援サービスと連携することで、導入効果を最大化することが可能です。

「業務負担の軽減」や「患者満足度の向上」を実現したいと考えているクリニックには、自動精算機は今後ますます重要な選択肢のひとつとなるでしょう。

 

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